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Sandfish Records Diary

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マイアミ2017

 夕食後にテレビをつけると、若き日のビリー・ジョエルが演奏していた。曲は「トラヴェリン・プレイヤー」、「ザ・バラッド・オブ・ビリー・ザ・キッド」、「シーズ・ガット・ア・ウェイ」など初期の曲がつづいた。

 そして、「マイアミ2017」が演奏されたとき、この曲の設定が2017年であることに気づいた。僕がこの歌を知った頃、2017年なんてまだずっと先のことだった。

 かつて故郷のニューヨークが廃墟となりマイアミへと逃げてきた男が、年老いた今、記憶を風化させないために当時のことを語っている。そんな歌であり、もちろんビリーの空想だ。

 ブロードウェイの灯りは消え、エンパイアステートビルは倒れ、街はスペイン内戦のように燃えている。クィーンズは残され、ブロンクスは吹き飛ばされ、マンハッタンは海に沈められた。人々は故郷を捨て、男もマイアミへと逃げた。

 もう覚えている者はほとんどいない
 今なお生き残っている人はほんの一握りだ
 あの街がなぜ失われたのかを世界に知らせるために
 この記憶を残そう

 元々は1975年にニューヨーク市が経済破綻寸前までいった際、レコーディングでロスにいたビリーが、故郷を憂いて書いたと言われている。

 その後、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロが発生。この歌は多くのニューヨーカーにとって、別の意味を持つようになった。テロ発生直後のライヴで、ビリーはこの曲を演奏した後に、こんなことを言っている。
 
 「25年前にこの歌を作ったとき、空想のままで終わるはずだった。まさか現実になるなんて思いもしなかった。でも、僕らはこの歌のエンディングとは違う。僕らはどこへも逃げたりはしない」

 ニューヨークを愛するビリー・ジョエルらしいいい話だと思う。それにしても2017年。この歌に追いついたとはね。

 

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# by sandfish2007 | 2017-09-26 07:42 | diary | Comments(0)

心のハードル

 昨日は地元のお祭りだった。お祭りの日は心のハードルが下がる。僕は午前中に原稿をひとつ送った後、もうひとつ書くのを後回しにして、祭りの人出を期待して早めに開店をしている馴染みの呑み屋へ向かった。

 途中、僕が住む町のお神輿とすれ違った。各自治体のお神輿が駅前を練り歩くのは午後からなのだけど、僕の町は仲間に入れてもらえないのか、毎年午前中でお神輿が戻って来る。理由はわからない。

 縄文時代の遺跡が発掘されるなど、集落としての歴史は十分すぎるほどあるのに、ずっと貧乏な地区だったことから、「見下されているのではないか?」と僕は勘ぐっている。そんな哀しい歌のひとつでも残っていないだろうか。

 店先にテーブルと椅子が置かれていたので、外でホッピーを飲みながら、友人たちとのんびりした午後を過ごした。空は次第に曇っていったが、それがかえって涼しくてよかった。2時間ほどくつろがせてもらう。

 帰り道にビーサンの鼻緒が抜けたが、小石を挟んだら問題なく歩けた。どんな状況でも生きていけるよう常に心がけてきたので、こういうことは割と得意だったりする。

 夕方から仕事を再開したが、どうも気乗りしない。テレビを観ながらでは、はかどるはずもないのだが、それも特に気にならなかった。祭りの日は心のハードルが下がるものだ。
 

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# by sandfish2007 | 2017-09-25 07:01 | diary | Comments(0)

30年前の話

 先週、僕が六本木にサウスサイド・ジョニーのライヴを観に行った日、日本武道館ではデュラン・デュランのライヴがあった。

 これを聞いたとき、なにやら胸に去来するものがあったので、「なんだろう?」としばし考えてみたところ、思い出した。

 30年前にも、サウスサイド・ジョニーとデュラン・デュランは来日公演を行っている。両者の日程には1週間程度のズレがあったので、今回のような同日開催ではなかったが、会場はサウスサイド・ジョニーが後楽園ホール、デュラン・デュランが後楽園球場と、すぐ近くだった。

 で、僕がどちらを観たかというと、デュラン・デュラン。チケットをダブらせた友人が、定価以下で譲ってくれたのが理由だった。

 1987年3月21日、小雨降る後楽園球場。当時、デュラン・デュランはメンバーの脱退により3人組になっていた。会場にスクリーンは設置されず、スタンド席からだとステージは遠く感じられた。サイモン・ル・ボンとジョン・テイラーは動くからわかるのだが、キーボードのニック・ローズがどれなのか最後までわからなかった。

 僕らは高校生だったが、学校は休みでふたりとも私服だった。僕は古びたブルゾンをはおり、その日が17才の誕生日だった友人は少しおしゃれをしていた気がする。今となっては遠い日の想い出だ。

 あれから30年と6ヶ月、2017年9月20日、僕はサウスサイド・ジョニーを観にビルボードライブ東京へ出かけた。そして、あのとき一緒にデュラン・デュランを観た友人はといえば、ちゃんと武道館へ行ったらしい。

 それがなんだか嬉しかったのは、どうしてだろう?

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# by sandfish2007 | 2017-09-24 08:30 | diary | Comments(0)

Happy Birthday, Bruce!

 今日は敬愛するブルース・スプリングスティーンの誕生日。なんと68歳だそうな。心からおめでとうございます。

 思えば、随分長いことスプリングスティーンの歌を聴いてきた。なにかにつけ。なにかあれば。なにがなくとも。とにかく、よく聴いてきたのだ。そんな日々も33年になる。

 そんな特別な人が今も現役感いっぱいに活躍しているのは、僕自身にとっても幸運なことだ。アルバムを出せばナンバー・ワンになり、ライヴ・チケットは即日ソールド・アウト。誇らしい気持ちだ。

 高い志しと燃えるような情熱で自分を追い込み、たくさんの不条理に屈することなく、鬱に悩まされながらも、常に純粋であろうと戦いづつけた人だ。そうした時間の積み重ねがあったからこそ、今のブルース・スプリングスティーンがある。

 スプリングスティーンがミュージシャンでよかった。彼の音楽を聴けば、会ったこともないのにとても身近な存在に思えるのだから。

 最後に掲載情報を。1980年代に特化したエンターテイメント・サイト『Re;minder(リマインダー)』に新しいコラムを寄稿しました。今回はもちろんブルース・スプリングスティーンです。アルバム『ネブラスカ』について書いてます。これは14年前に自分のホームページ用に書いた文章をリライトしたものです。ぜひ読んでみてください。

ネブラスカの闇、それでも人は信じる理由を見つけようとする

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# by sandfish2007 | 2017-09-23 10:48 | diary | Comments(0)

まぁ、いいでしょう

 空が高くなり、雲の輪郭が崩れ、刷毛ではらったように見える。夏の面影を残したまま、少しづつ秋めいてきている。季節の終わりは始まりでもあるから、淋しくもあり、清々しくもある。

 毎朝飲むコーヒーの味わいが変わり、プレファブ・スプラウトの『ザ・ガンマン・アンド・ジ・アザー・ストーリーズ』を聴くようになる。そして、季節が深まれば、またいろいろ変わるのだ。

 秋は感傷的な季節と言われたりするが、人はいつだって感傷的だから、季節の問題ではないのだろう。ただ、季節ごとの感傷はあると思う。僕としては(個人としてもレーベル・オーナーとしても)、秋はシンガーソングライターの季節ということになる。つまり、振り返ったり、内省したり、謝ったりするのによろしいかと。サンドフィッシュ・レコードでは、そんなあなたにぴったりな作品を取り揃えてます。

 …なんてことを書くと、かえって売れない気もするが、もう書いちゃったしな。まぁ、いいでしょう。

 最後に掲載情報を。1980年代に特化したエンターテイメント・サイト『Re;minder(リマインダー)』に新しいコラムを寄稿しました。今回はジョージ・ハリスンの『サムホエア・イン・イングランド』です。このアルバムにふたつのヴァージョンが存在するのは、ファンならばある程度は知っていることなので、コラムのタイトルはちょっと気恥ずかしいのですが(注:タイトルは毎回「リマインダー」が付けている)、裏話くらいに思ってもらえたらと思います。僕としては、ジョージでコケるわけにはいかないので(コケそうだけど)、ぜひ読んでみてください。

ジョージ・ハリスンの知られざる秘話、ふたつの母なるイングランド

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# by sandfish2007 | 2017-09-22 07:13 | diary | Comments(0)

サウスサイド・ジョニー&ジ・アズベリー・ジュークス@ビルボードライブ東京(2017.9.20)

 最高のライヴを観た夜。サウスサイド・ジョニー&ジ・アズベリー・ジュークス。50年近いキャリアを誇る筋金入りのソウル・レビューであり、ロックンロール・ショーだった。

 サウスサイド・ジョニーの音楽は、ニュージャージー州アズベリーパークと密接な関係にある。ニューヨークまで車で1時間半という距離にあり、海沿いの町らしい開放的な空気と、時代に取り残されたことによる閉塞感が共存している。よこしまで、どこかインチキ臭い。夢破れ、センチメンタルで、いつも切ない風が吹いている。そして、洗練よりもタフであることが求められる。

 サウスサイド・ジョニーとジュークスのファンは世界中にいる。とはいえ、彼らが世界的な成功を収めたわけではない。音楽ビジネスにおいて、サウスサイド・ジョニーは、ニュージャージーを飛び出すほどは売れなかった。そのおかげで(という言い方はおかしいのかもしれないが)、彼は自分のスタイルを変える必要がなかったし、毎晩のようにステージに立ちつづけることで、ニュージャージーならではのソウルフルなロックンロールを深化させることができたのだ。

 昨夜、僕が目撃したのは、ジャージーショアきっての伝説的なバー・バンドの姿だった。異なる個性をもった8人のメンバーが、サウスサイド・ジョニーを中心に、心をひとつにして、共通のゴールに向かって一斉に音楽を奏でていた。それは世界レベルの胸を震わすローカル・ミュージックだった。

 言ってみれば、サウスサイド・ジョニーはニュージャージーの特産品だ。ライヴを観たければ、こちらから出向くしかない。そう思っていた。それを六本木で観たなんて、なんだか不思議な気分である。

 会場のビルボードライブ東京は、彼らが日頃演奏している場所に比べると、大分上品だったはずだ。でも、彼らは普段通りの演奏をしているように見えた。おそらく、上品に振る舞うことに馴れていないのだろう。そして、言うまでもないが、馴れる必要などないのだ。ライヴの間、僕はいつでも場末のバーの風景を思い浮かべることができた。

 一晩たっても全身に余韻が残っている。毛穴が開いて過敏になっているように感じる。今、僕を包んでいるのは、ずっと憧れてきたジャージーショアの空気なのかもしれない。

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# by sandfish2007 | 2017-09-21 07:58 | diary | Comments(0)

進展

 晴れると思っていたのだが、起きたら曇りだった。シロギス釣りに行こうと思っていたのだが、起きたら気乗りしなかった。ひとまずコーヒーを淹れて、妻が職場でもらってきたパンを勝手に食べた。あとでおびただしい数の空き缶を捨ててこよう。いくらなんでも飲み過ぎだと思う。

 アルバイト代が入ったので、連日馴染みの飲み屋へ。一昨日はひとりでゆっくりと。ハイボールとすっぱい金平。ひやおろしと板わさ。昨日は妻と待ち合わせ、居合わせた友人たちと野球談義。日本酒と揚げ出し豆腐。だし巻き卵。ししゃも。タコブツ。

 そして、午前4時に床で目を覚まし…と、いったい何度同じような日記を書いているのだろう?僕の人生に進展はあるのだろうか?

 でも、今夜は違う。サウスサイド・ジョニー&ジ・アズベリー・ジュークスを観に行くのだ。人生初である。おっ、進展した。よかった。
 

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# by sandfish2007 | 2017-09-20 07:52 | diary | Comments(0)

ワン・ツー・スリー・フォー!

 今日は祝日なのだそうで。僕には関係ないが、そう思うと空気がのんびりしている気がするから不思議だ。澄み渡る雨上がりの空。強い風もそのうちおさまるだろう。

 数日前、ポール・マッカートニーのニューヨーク公演にブルース・スプリングスティーンとスティーヴ・ヴァン・ザンドが飛び入りし、ポールの「ワン・ツー・スリー・フォー!」のカウントから「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」を演奏した。ワン・マイクで歌うポールとブルースの姿は実に感動的である。で、楽しくなったポールは、曲が終わるとまた「ワン・ツー・スリー・フォー!」とカウントし、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」を2回つづけてみんなと演奏したのだった。自由だなぁ。素晴らしい。

 今ではこうした貴重なシーンを、即日ネット上の映像で観ることができる。観客が録画したものだが、もはや隠し撮りとは言わない。堂々としたものだ。ライヴでそういう人が近くにいると僕は嫌なのだけど、どうにもならないし、そういう人が撮った映像を僕も観ているのだから、偉そうなことは言えない。

 こういう小さなジレンマが日常レベルで多すぎる。整理しよう。

 この週末も原稿をひとつ送っただけで、あとは酔っぱらっていた気がする。昨日の夕食後に聴いたジョー・クラウンのソロ・ピアノがやけに心地よかった。もうちょっと曲数が少なくてもいいけれど。同じスタイルで15曲はさすがに飽きるが、酔い疲れた体にはとてもよかった。

 金曜日、アルバイト先の飲み会があり、どういうわけか、やけにみんなにほめられた。あれは新手の嫌がらせだったのだろうか?日頃ほめられ馴れていないと、ああいうのは落ち着かないもの。僕はほめられると伸びないタイプなのかもしれない。そういえば2次会には誘われなかったな。やっぱり新手の…(以下省略)。

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# by sandfish2007 | 2017-09-18 07:20 | diary | Comments(0)

グッドナイト・マイ・ラヴ

 雨の日曜日。気怠い午後の昼下がり。これからビールを飲むつもり。

 昨夜は友人主催のマンスリーDJイベント「Voices Inside」へ。外は雨だったがたくさんの仲間が集まり、会場の「バー・ケインズ」は深夜まで賑わっていた。

 イベント終了後、店内にアレックス・チルトンのカヴァー・アルバム『ルーズ・シューズ・アンド・タイト・プッシー』が流れた。初めて聴くレコードだったが、素晴らしかった。よれたヴォーカルにリバーヴがかったエレキギターが、唯一無二の世界を描き出す。アレックス・チルトンは一流の才能をもちながら、一流であることを拒む。音楽への愛情が深すぎるから、その愛はよじれる。すると、こういう音楽になるのだろう。それは深夜のバーにもよく似合っていた。

 午前3時をまわり、カウンターには僕を含めて数名だけになった。カードで会計を済まそうとするが、なぜかうまくいかない。でも、現金で払うとタクシー代が足りない。そこで「なんならツケでもいいぞ」と言ったら、「宮井さんがツケでもいいって言うのはおかしいですよ。普通は逆でしょ」とカウンターにいた友達に言われた。確かにそうだ。

 結局、現金で支払い、雨の中を歩いて帰った。頭の中では、アレックス・チルトンの「グッドナイト・マイ・ラヴ」が繰り返し流れていた。

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# by sandfish2007 | 2017-09-17 13:55 | diary | Comments(0)

寸志

 朝晩が涼しくなった。ECM好きの友人に借りっ放しのマーク・ジョンソン『シェイズ・オブ・ジェイド』をかけて熱いコーヒーをすすれば、なんだかすっかり秋である。

 台風も近づいている。近年、台風で季節をはかれなくなってきたが、それでもこの時期に台風が来ると、「あぁ、秋なんだな」と思う。

 とはいえ、昼間はまだ暑いし、僕のかっこうといえば、Tシャツに短パン。汗ばみながら歩いていると、「なんだよ、夏かよ」と思ったりもする。

 リンゴ・スターがニュー・アルバム『キヴ・モア・ラヴ』をリリースした。なんと19枚目のオリジナル・アルバムだそうな。バンドのドラマーだった人で、こんなにソロ・アルバムを出してる人って他にいるのだろうか?ライヴ・アルバムだっていくつも出してるし(出し過ぎだと思う)、「すごいなぁ」と頭が下がるばかりだ。

 僕はアナログ・レコードで購入予定。少し時間を置いて、値段が下がってきた頃に買おうかなと思っている。楽しみだ。

 昨日、帰宅したらヤフオクで落札した野球のチケットが届いていた。封筒を開けると、2枚のチケットと一緒に「寸志」として千円札が入っていた。「ビール代の足しにでも」とのこと。ネットオークションでこんなことは初めてである。僕は感激し、お礼のメッセージをしたところ、「最後まで熱い応援しましょう!」という力強い言葉が返ってきた。もちろん。

 9月も今日で半分。後半は仕事と遊びで忙しい。あっという間に10月になってしまいそうだ。
 

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# by sandfish2007 | 2017-09-15 07:35 | diary | Comments(0)