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Sandfish Records Diary

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ツラツラト

 サリー・ドゥワースキーの『Boxes』以来、新しい作品をリリースしていない。先日、「それって、わざとですか?」と訊かれたんで、「わざとですよ」と応えた。いい作品であれば新譜かどうかなんて関係ないと思ったし、アーティストが長い時間をかけて作ったものを、僕も時間をかけて売ってみたいと思ったのが、そもそもの理由だったりする。

 とはいえ、新譜主義なこの業界でリリースを止めるというのは、あらゆる意味で、ライフラインを断ち切るに近しい行為だったりもするわけで、なかなか思い通りにはいかない。というわけで、ニュー・リリースについても、少しづつ準備をしてたりするんだけど、まだ具体的な話がまとまらないので、どちらかといえば心の準備の段階かと。ヘタなもん出すわけにもいかんし。

 新しい作品をさがすとき、僕はいつも、それが音楽的に「みずみずしい」ものであるのか、あるいは「しなやかな感性」で奏でられたものであるのかを、僕なりの感性で、気にかけている。つまり、その音楽からオープン・マインドが感じられること。例え古い音楽スタイルをとっていても、アーティストの気持ちがそのスタイルにとらわれていないこと。ただ好きな音楽をやっているという以上の「なにか」が感じられること。これは、そのアーティストが表現と向き合うときの心のあり方というか、心意気みたいな部分の話なので、言葉にするのはとても難しいのだけど、音楽が閉塞せずに自由であるためには、けっこう大切なことだと、僕は思っている。

 そういう意味で、サンドフィッシュ・レコードは趣味的なレーベルではないという意識を、僕はもっている。もちろん、趣味的なレーベルを悪いと言ってるわけではない。ただ、ひとつのスタイルに身を捧げるには、僕自身が音楽的にもっと流動的な人間だということなのだろう。でも、音楽に対して嘘をつかないみたいな、そんな芯のようなものだけは、しっかりと持っていたい。

 今さらこんなことを書いたのも、大きな転換期を迎えている音楽業界の片隅に生きる身として、改めて自分に言い聞かせておきたいと思ったから…かもしれない。あるいは、これまでリリースした9枚のCDを聴き返して、僕なりの自信を感じたから…ということかもしれない。それとも、単に、なにか支えになるような言葉や拠り所がほしかっただけかもしれない。

 ま、なんであれ、こんなことをつらつらと考えるのも、たまには悪くない。というわけで、今日も1日がんばろう。おー。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2009-02-16 09:48 | diary | Comments(0)
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