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Sandfish Records Diary

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Kiss and Say Goodbye

 ケイト・マクガリグルが亡くなった。僕は、彼女が姉のアンナと一緒に作ったレコードを1枚だけ持っている。カナダ人らしい、寒い地方に住む家族特有の温かさが伝わってくる静かな1枚。ケイトといえば、ルーファス&マーサ・ウェインライトのお母さんと言った方が、今は通りがいいかもしれない。彼女にとっては、それはそれで誇らしいことなのかな。そんな気もするんだけど、どうなんだろね。

 今朝はこのレコードを聴いている。ケイトと、会うことのなかった人へのレクイエムとして。温かい歌声と美しいメロディーが、届くことを願っている。

 昨夜は、忘れ物を取りに馴染みの音楽バー「ケインズ」へ。ドアを開けるとスプリングスティーンの“I Wanna Marry You”が流れていた。つづいて“The River”がかかり、それからレコード針があがる音がした。『The River』のB面が終わったんだなと思った。そのままC面、D面が流された。僕が焼酎を頼むと、マスターのゲンちゃんが「五十三度」という泡盛を出してくれた。病み上がりの体には強烈な酒だった。飲み干すのに、水を3回おかわりする必要があった。おかげで、じっくりと味わうことができたし、スプリングスティーンの歌に耳を傾けることができた。『The River』が終わると、つづけてファースト・アルバムがかかった。「75年のライヴを久しぶりに観ちゃって」とゲンちゃんが言った。「ケインズ」はつくづくいいバーだと思う。

 部屋に戻ってから、雑炊の残りと大根の煮付けを食べた。それから、何年かぶりに寝袋に潜り込んだ。枕元にラジカセを置き、スプリングスティーンをカセット・テープで聴いた。なんだか、まだ実家で暮らしていた中学生や高校生の頃みたいだなと思った。寝袋がぬくぬくとあったかくて、すぐに寝こけてしまったけど。

 今はケイトとアンナの歌が流れている。空はきれいに晴れ渡り、天国までなにも遮るものがない。だから、きっと届くことだろう。ケイトにも、会うことのなかったあなたにも。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2010-01-20 09:25 | diary | Comments(0)
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