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Sandfish Records Diary

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Sweet Black Angel

 ひきつづきローリング・ストーンズな朝なり。『メインストリートのならず者』なり。やっぱりこれはとんでもない作品だなぁと改めて思い知らされる。「レコード・コレクターズ」の特集は、初めて知ることがたくさん載った資料性の高い内容だったが、全体的に僕より15歳くらい年上の人達に向けて書かれたような印象で、そこには軽いジェネレーション・ギャップが感じられた。「昔はこうだったんだよ」。「へぇー」みたいな。ストーンズを熱心に聴くようになって25年ほどたつが、僕が体験してきたこととは、いろんな意味で温度差があった。

 このアルバムに収録されている“Sweet Black Angel”は、黒人解放運動家として知られるアンジェラ・デイヴィスのことを歌っている。ジョンとヨーコも、彼女のために“Angela”という歌を書いている。で、このアンジェラさん、実はイーサ・デイヴィスの伯母さんだったりする(前にも書いたけど)。イーサの本名は、アンジェラ・イーサ・デイヴィス。イーサはミドル・ネームなんだね。有名な伯母と同じ名前ではなにかと厄介ということで、ミドル・ネームを使うことにしたんだそうな。

 “Sweet Black Angel”は、奥に静かな混沌をもったアコースティック・ナンバー。飾り気のないメロディと、不思議なリズム。パーカッション。こういうゆったりとした曲でも、演奏には切り貼り不能な一体感がある。バンド・アンサンブルという意味ではなく、あらゆる混沌を飲み込んだバンドが醸し出す艶かしい魅力に溢れている。この頃のストーンズは、ロック・バンドを超えて、やっぱり最強だったと思う。

 『メインストリートのならず者』は、僕が16歳の頃からずっと特別なアルバムだった。どれだけたくさんのことを学んだか知れない。音楽はどこまでも深いものになりうるのだということを教えてくれた作品だったりする。そして、こんな僕と同じくらいの温度で(あるいはそれ以上の熱をもって)このアルバムのことを愛している人達が、世代や性別の隔てなく、世界中にいるのだと思う。

 僕らはそれぞれに、好き勝手に、音楽を聴く。そして、自分の人生の一部にしていく。だから、世界中には無数の『メインストリートのならず者』があると言えるのかもしれない。でも、『メインストリートのならず者』は『メインストリートのならず者』だ。そんな僕らの自分勝手な気持ちさえも、このアルバムは飲み込んでしまう。そんな気がしないでもない。ほんとに大好きだ。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2010-05-27 10:50 | diary | Comments(0)
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