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Sandfish Records Diary

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Born in the U.S.A.

 1985年の夏に戻ったような気分で『Born in the U.S.A.』をターンテーブルにのっけてみたりする。具体的になにかを想い出すわけじゃないけれど、まだ15歳だった自分が見上げていたであろう空の青さとか、じりじりと照りつける太陽とか、手持ち無沙汰な夏休みの退屈さとか、汗ばんだ白いTシャツとか、エレキギターの音とか、そんなことをふと思い出してみたりする。

 僕は斜に構えた子供だったから、子供らしい快活さというか素直さにいささか欠けていたと思う。それでも歳相応に無邪気ではあった。これから先、自由に好きなことをして生きていけると思っていた。それが難しいことだと頭では理解していたはずなのに、きっと自分はやっていけると根拠もなく思っていた。時代そのものがどこかのーてんきだったというのもあるのだろう。ただ、あの頃を思い出したときにさほど閉塞感を感じないのは、僕自身のそうした根拠のない思い込みのせいでもある気はする。

 刑務所のすぐ隣り
 精油所の燃え盛るガスの火の近く
 この10年、煮えくり返る思いで生きてきた
 まったくのどん詰まり、どこへ行くこともできない。
 僕はアメリカで生まれた

 “Born in the U.S.A.”の中で、スプリングスティーンはこんな風に歌っていた。僕は当時からここのフレーズが一番好きだった。自分に出口がないと感じていたわけじゃない。けれど、心のどこかで、いつかこんな風に感じる日が自分にも来るかもしれないという恐れは、無言のままにあった。

 このアルバムには秀逸な歌詞をもった歌がたくさんある。行き止まりの歌にまじって、友情と誓いの歌があったりする。どの曲も演奏は力強く、外へと向かっていくエネルギーに満ちていた。それは時間だけはたっぷりあったあの夏の日の風景に、よく似合っていた。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2010-08-07 07:56 | diary | Comments(0)
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