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Sandfish Records Diary

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41歳になってみた

 41歳になった。世間にとっては関西の震災の日だったり、世界的には湾岸戦争の開戦日だったりするけれど、僕とモハメッド・アリと坂本龍一と山口百恵くらいは、自分達の誕生日をお祝いしてもいいよね。

 ひとまず、「ひとつ歳上になっちゃったよ、ジョン」と思ってみたりした。

 日付が変わってから、そして今朝目を覚ましてから、ブルース・スプリングスティーンの未発表曲集『Tracks』のディスク1をかけた。“Santa Ana”とか“Seaside Bar Song”とか“Zero and Blind Terry”とか“Linda Let Me be the One”とか“Thundercrack”とか。これらのまだローカルな匂いを残したロマンティシズムの結晶のような歌を、僕はなにかを取り戻すような気持ちで聴いた。そのなにかというのは、つまり、降り注ぐ星屑のようにキラキラとしたロックン・ロールのカケラ達だ。

 僕はある年齢を過ぎた頃から、自分にとって大切だと信じるある種の感情を必死になって守ってきた。そのためには、いくつかの大切であろうものを進んで手放してきた。どちらかといえば、それはどうしようもないことであったと思うし、そのことを後悔もしていない。でも、手放してきたものの中には、あの頃は気づかなかったけれど、実はとても大切なものが含まれていたんだということを、僕は歳をとるにつれわかりはじめた。

 僕はブレることなく生きていくために、手が届きそうもないものに手を伸ばしたり、辿り着くことがないであろう空を見上げることを、意図的にやめたのだと思う。たったひとりでやっていくためには、そうした現実的な決断があの頃の僕には必要だった。すると、僕の思考回路もまた、それに合わせて変化していった。いつしか僕は、ロックン・ロールのカケラ達が降り注ぐ世界のど真ん中から、少しはずれた道を歩くようになっていた。

 しかし、なにかが巡り、再び出逢うように、僕はまたその世界に入っていきたいと思いはじめている。ど真ん中に戻ることはないだろう。でも、体半分くらいはそこに入れておきたい。新しい扉を開き、未来への鍵を手入れるために、あのキラキラとした気持ちを取り戻したい。

 サンタ・アナがロマンスの力で口のきけない者をしゃべらせたように。シーサイド・バーで演奏するボ・ディドリーを聴くために砂浜を裸足で走っていくように。ゼロやテリーが空のストリートをハイキングするように。ミッドナイトボーイズが外に出て、通りから涙をかき集めるように。バレリーナの心をもった彼女が、伸び上がったり体を反らして踊るように。

 そんなことを考えながら、僕はこれから41歳を生きていこう。

 MIYAI

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by sandfish2007 | 2011-01-17 11:46 | diary | Comments(2)
Commented by torami at 2011-01-17 20:53 x
お誕生日おめでとうございます。また素敵な一年を!
またいつかお会いしたいですね。
Commented by sandfish2007 at 2011-01-18 08:51
◇toramiさん
ありがとうございます。充実した1年になるようがんばりますね。
ぜひぜひお会いしませう(にっこり)。

MIYAI
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