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Sandfish Records Diary

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Badlands

 昨夜帰宅すると、エドウィナ・ヘイズからメールが届いていた。彼女は本当に優しい人で、できることがあれば何でも言ってほしいと、繰り返し書かれていた。もしベネフィット・ライブやそれに準じたイベント等があれば、ノー・ギャラで歌いに行く。渡航費も自分で払うと申し出てくれた。読んでいて、胸が詰まった。

 こうした厚意を気安く受けることはできないけれど、もしエドウィナを呼びたいという方がいたら、連絡をください。イベントの内容にもよるし、彼女のスケジュールの都合もありますが、僕から話してみます。

 甲本ヒロトが、ラジオで被災した人達に向けてメッセージを送ったことを、友人のツイートで知り、ユーチューブで聞くことができた。「1日も休まず歌ってるよ。こっちはいつもと同じで、何も変わってないよ。だから、いつ戻って来ても大丈夫だよ」。実際はこういう言い方をしてたわけじゃないけど、とてもヒロトらしい、まっすぐなメッセージだった。そう言ってから、ヒロトはブルース・スプリングスティーンの“Badlands”をかけた。

 僕も先日の「サンドフィッシュ・カフェ」でスプリングスティーンの“My City of Ruins”をかけた。これは廃墟と化した自分の町への悲しみと、復興への祈りを歌った曲。今朝の「バラカン・モーニング」では“The Rising”が流れた。これも献身と救済と祈りを歌っている。でも、ヒロトが選んだ“Badlands”を、僕はまったく思いつかなかった。今、こういう力強さを投げかけることを。

 バッドランズ、僕らは毎日それを生きねばならない
 夢破れた心を立て直そう
 代価は自分で支払うしかないのだから
 そしてこのバッドランズが、もう少し住みよくなり、
 何かが見えてくるまで、
 やりつづけよう

 これまで幾度となく聴いてきたこの曲が、違う意味を帯びて僕の耳に響いた瞬間だった。それは少なからず、僕に衝撃を与えた。

 生きることは素晴らしいと感じることが
 罪ではないと考え、
 そう心に深く思っている人達のために、
 僕は自分の心がまだ見抜いていない
 もうひとつの顔を見つけたい
 僕はひとつの場所を見つけたい
 そして、このバッドランズにつばを吐きかけたい

 “My City of Ruins”もこの“Badlands”も、震災のことを歌った歌ではない。でも、僕らは自分の気持ちや状況を、ひとつの歌に重ねて聴くことができる。そして、そこから勇気をもらうことができる。今ではないかもしれないけれど、いつかそういう日がくるかもしれない。それが音楽の力だ。うまく言えないけど、僕はそう思う。

 今日もいつもの1日がはじまる。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-04-05 09:43 | diary | Comments(2)
Commented by アラン・ボブ at 2011-04-05 17:05 x
ごぶさたしてます。
私は以前から、「バッドランズ」とルー・リードの「ヴィシャス」は似ている様な気がしてます。
コード進行が似てるのか?と勝手に思ってますが。
78年にリードの「ストリートハッスル」にスプが参加して、その時インスパイアされたスプが書いたのが「バッドランズ」か?と、これまた勝手に想像してます。
どちらの曲もすばらしいので、どうでもいいことですが。
私も、「マイシティオブルーインズ」を初めて聞いた時、この曲は「祈り」なんだなと思いました。
キャリアをここまで積んできたスプが、メッセージを声高に叫ぶのではなく、こういう形で出してきたことに、感動しました。
Commented by sandfish2007 at 2011-04-06 08:23
◇アラン・ボブさん
お久しぶりです。僕は「ヴィシャス」の歌詞の内容を知らないで、事の真意はわかりませんが、あれこれ想いを巡らすのは楽しいですね。そうか、「ストリート・ハッスル」と「バッドランズ」は同じ年の曲なんですね。なるほど。

「マイ・シティ・オブ・ルーインズ」へとスプリングスティーンが行きついた道程に想いを馳せるとき、僕も感動を覚えます。おっしゃる通りですね。

MIYAI
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