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Sandfish Records Diary

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実家の引越し

 今日は実家の引越し。両親が35年間暮らした家を離れる日であり、新しい生活を始める日である。一戸建てからマンションに移るため、実にたくさんのものが整理され、回収され、捨てられた。居間に飾られていた大きな絵、ピアノ、僕ら兄弟の通信簿や答案用紙、テーブルと椅子、本棚、洋服、コップや皿、等々。それは「痛みを伴う作業だった」と母は言った。これまで過ごしてきた「時間」がしみ込んだものを、ただ「必要ないから」という理由で捨てるというのは、どうやら簡単なことではないらしい。

 引越しを決めたのは、利便性を求めてのことだ。実家は最寄り駅から徒歩50分。バスの本数も1時間に2本。これからもっと歳を取って、車の運転ができなくなったとき、ここで暮らすのは、なにかと難しいことが多いだろうと判断したからだ。引越したくても引越せない人達はたくさんいる。でも、僕の両親は引越そうと思えば、引越すことができた。つまりは、そういうことなのだと思う。

 両親が新しい生活の場に選んだのは、兄貴一家が住む町だった。これまでの静かで緑に囲まれた生活に比べると、いくらか騒々しく落ち着かないかもしれない。でも、兄貴達が近くにいるし、駅はすぐそばだし、物価も安い。幸いなことに、部屋の窓から丹沢の山並みを眺めることができる。あとは少しづつこの町での生活に馴染んでいけばいい。僕もときどき顔を出せたらと思っている。

 40歳を過ぎて、僕も歳を重ねることの意味が少しづつわかるようになった。それは、僕がかつて思っていたよりも、どうやら切ないことのようだ。でも、今この瞬間を楽しみ、面白がることで、僕らは心を豊かにすることはできる。そうやって僕らは前へと進んでいく。死ぬまで進みつづけるのだと思う。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-04-29 08:56 | diary | Comments(4)
Commented by える at 2011-04-29 11:06 x
住まいには人格が宿る。住まいは生き物だと思います。耳を澄ますと、家の声が聞こえる。家でも人でも、たくさんの会話を繰り返し成長するもんだと思います。

新しくても古くても愛されている家は幸せですね!
Commented by jerry at 2011-04-29 13:57 x
MIYAIさん、私はどんなことがあっても、何処に行っても毎日、
こちらは拝見させていただいていますが、今回は書き込まずにはいられません。

「痛みを伴う作業だった」というお母様のお言葉が身に染みて分かります。
私も、事情があり、自宅を手放す覚悟をしているからです。
自分が過ごしてきた思い出と時間とお金を掛けて集めたもの、
10代の頃、夢中になったカセットテープや録りためたビデオ、音楽雑誌など
断腸の思いで全て処分しました。 非常に胸の痛い作業でした。

これから、洋服などを含め、とにかく物を減らさないといけません。
一番辛いのが、CDとレコードです。 20年前に買ったCDが理解できなく、
今になってその素晴らしさが伝わるという体験を実際にしている為
どのアルバムを何処まで処分したらいいのか判断できません。

とても切ないです・・・。 音楽の素晴らしさは充分に理解しています。
私の人生そのものですから。  
Commented by sato at 2011-04-29 15:24 x
ご両親には、及ばないかもしれませんが、経験あります。私は5年前10年以上培った家(家庭)を整理しました。妻とであった頃、子供が生まれ育った過程に関するものを自分のこの手で処分したのです。心が悲鳴を上げるのがわかりました。

「痛みを伴う作業だった」というお母様の言葉、痛いほど良くわかります。
Commented by sandfish2007 at 2011-04-30 08:07
◇えるくん
ほんとそうですね。家族みんなに別れを惜しまれている実家は、幸せだったと言えるのかもしれません。写真もたくさん残っているし、忘れることはないでしょう。

◇jerryさん
お久しぶりです。いつも読んでもらえてて嬉しいです。ご自宅を手放す覚悟ですか。心中お察しいたします。僕も今回の実家引越で預けておいた音楽雑誌やビデオなどはほとんど処分しました。やっぱり淋しいものですね。もしレコードやCDを手放すとなったら、もっと淋しい思いをすると思います。だから、jerryさんのおっしゃること、僕にも理解できます。

でも、それが前に進んで行くために必要なことなら、きっとそこには意味があるのでしょう。がんばってくださいね。

◇satoさん
ご家庭を整理…。間違いなくsatoさんの方が辛い経験だったと思います。昨日は兄貴夫婦も来て、みんなで引越の手伝いをしました。お袋も親父も嬉しそうでした。よかったなと思いましたよ。

両親も歳をとってきてるので、環境の変化から気落ちしないように、僕も力になれたらと思ってます。
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