素晴らしい季節。ちょっと外に出ただけで、こんなに気持ちがいいなんて。窓を開け放って、アレサ・フランクリンのレコードをターンテーブルにのっける。コーネル・デュプリーがギターを弾いてるやつだ。ビリー・プレストンも参加してる。ソウル・ミュージックが青空に溶けていく。少ししたら、自転車をこいで鎌倉までラジオの収録へ出かける。海岸線を走るのが、今から楽しみだ。
昨年の今頃、親父に誘われて南相馬から仙台までサイクリングをした。距離にして100キロくらいだろうか。できるだけ海に近い道を走った。あのときのことを思うと、不思議な気持ちになる。たまたま行ったのに、そこになにか意味があったかのような、そんな気がしてくるのだ。時折、あのときと同じ道を辿ってみたいという欲求にかられる。あの風景がどうなったのか。立ち寄った店がどうなっているのか。この目で見てみたい。しかし、現実的に今の僕には難しい。そして、こんなことを思うなんて申し訳ない。
そんなときにソウル・ミュージックを聴くと、救われた気持ちになる。心に光が差し込むのを感じ、力が湧いてくる。この感じが東北まで届けばいいのにと思う。今朝の空はきれいに晴れ渡っている。遮るものなんてなにもない。
MIYAI