朝っぱらから『Born in the U.S.A.』を聴く。僕にとってはいたって普通のことだ。文句あっか。…と意味もなく毒づいてみる。きっと僕はなにかが不満なのだろう。窓の外では夏空。今日もいい天気だ。こんな日には頭の中をからっぽにして、なーんも考えずに、アメリカン・ロックを聴きながら、ビールをぐびぐび呑んで過ごしたい。そしたらきっと不満なんてひとつもなくなるだろう。きっとそうだろう。
とはいえ、『Born in the U.S.A.』はなにかと考えさせられるアルバムだ。このアルバムに収められた曲はすべて、消すことのできない苦みを含んでいる。繰り返し聴いていると、どん詰まりの感情やもう取り戻すことのできない時間が目の前にくっきりと浮かび上がってきて、茫然と立ち尽くすことになる。でも、ポップに仕上がっているから、ただ楽しむこともできる。今日はただ楽しんでこのアルバムを聴いている。だって、なんだかいい天気だから。
結論:僕にビールを呑ませてくれないか?
そうそう、おてらあきらの「ルービーの指輪」ってだじゃれを思いついたんだけど、面白いと思いませんか?
宮井 章裕