ブログトップ

Sandfish Records Diary

sandfish.exblog.jp

悪魔と砂塵

 昨日にひきつづきブルース・スプリングスティーンの歌を紹介。今日は“Devils & Dust”。まずは歌詞を読んでみてほしい。

 僕は指を引き金にかけている
 誰を信用していいのかわからない
 君の目を覗き込むと
 そこには悪魔と砂塵が見える
 ボビー、僕らは国から遠く離れてしまった
 国も僕らから離れてしまった
 汚い風が吹いているの感じる
 悪魔と砂塵

 神様は僕の味方
 なんとかして生き延びたい
 でも、生き延びるための行為が
 愛する人を殺してしまったらどうしよう
 恐怖には強い力がある 
 それは心をどす黒くもすれば
 神を恐れる魂を
 悪魔と砂塵で満たしたりもする

 「イラク戦争が始まった頃に書いた歌だ」とスプリングスティーンは言う。けれど、福島の原発事故を思うとき、この歌はまた別の意味をもって僕の胸に響いてくる。それはこの歌が「自分の選択が通らない状況に立たされて、命と心が犠牲になる物語」だからだろう。ここには個人的な見地と政治的な見地の対立がある。個人は追いつめられ、自分を認識するためのもの(家族や家など)を失い、自らの一部を犠牲にするのだ。後ろではギターが重たいリズムを刻みつづける。それはまるでなにかに抵抗するかのように鳴っている。昨日の日記で紹介した“Waitin' on a Sunny Day”で歌われる無垢な希望は、こうした現実の暗闇の中に差し込む光なのだということを、僕らは知っておくべきなのだと思う。

 MIYAI
[PR]
by sandfish2007 | 2011-09-17 09:50 | diary | Comments(2)
Commented by 法律屋さんFROMおおさか at 2011-09-19 22:43 x
“イラク攻撃は正義だ!!”と信じて疑わずに、イラクに渡った兵士の戦場で感じる矛盾感を歌った歌だと推察しています。イラク、アフガン戦争のことを扱った映画“ハートロッカー”“グリーンゾーン”“マイブラーザー”“告発のとき”などを見るたびに必ずこの曲が頭の中に響いてきます。
Commented by sandfish2007 at 2011-09-20 21:39
◇法律屋さんFROMおおさかさん
すごい歌ですよね。もし自分のしたことで、愛する人が死んでしまったら…。こんなことが頭をよぎる状況は、あまりに不幸です。それらの映画を僕は観たことがないのですが、観るたびにこの歌を思い出す法律屋さんの気持ちはわかる気がします。

 MIYAI
<< 忙しくなりそう 明るく晴れた日 >>