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Sandfish Records Diary

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Whisky

 馴染みのバーのマスターに子供が産まれた。嬉しかったから、お祝い気分で店に顔を出した。「1杯おごりに来たよ。いつもよりいいお酒で乾杯しようよ」。マスターが選んだのは、山崎のシングル・モルトだった。なんでも、シングル・モルトというのは、ひとつの蒸留所で作られたモルト・ウイスキーのことなのだそうで、つまり、同じ蒸留所のものであれば、別々の樽で寝かせたウイスキーをブレンドしても、それはシングル・モルトということになる。「でも、これはひとつの樽から作った酒なんです」とマスターは言った。僕はボトルを手にとってみた。ラベルには確かに樽の番号と、これが468本のうちの385本目であるという手書きのナンバリングがあった。「ほぉー、なんかいい酒って感じだね」。僕は素直に感心した。なめてみるとそれは、なめらかな味のするとても美味しいウイスキーだった。

 店内ではクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの『デジャ・ヴ』が流れていた。お産のときに奥さんが分娩室で流してたのだという。それからマスターは、僕の知らないウイスキーの面白い話をいくつかしてくれた。マッカランはあるときからシェリー樽をやめてバーボン樽を使うようになった。だから、昔と今とでは別物なんだ…とか、大きな酒造メーカーと小さな蒸留所というのは、音楽業界で言うところのメジャーとインディーズの役割に似ているかもしれないとか、まぁいろいろ。こんな話をされると、他のお酒も呑みたくなって困る。僕は我慢せずに「今度は別のが呑みたいな」と言った。出てきたのは、シェリー樽で寝かせた昔のマッカランだった。

 BGMが男性のソウル・シンガーに変わった。「ジョージ・ジャクソン?」、そう訊ねると、マスターがジャケットを見せてくれた。最近発売されたフェイム録音の未発表曲集で、僕も先日タワーレコードで試聴してすごく気に入った1枚だった。「いつか貸してくれないか」と頼んだら、「はい」とそのまま手渡された。どうもありがとう。藤沢駅北口にある「バー・ケインズ」のマスターは、やっぱりいい男だ。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2012-02-23 17:51 | diary | Comments(0)
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