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Sandfish Records Diary

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Thank you, Levon

 リヴォン・ヘルムが長い闘病の末、昨日この世を去った。とても悲しいことだが、最期に、家族やバンド仲間に見守られながら逝ったと聞いて、ほんとによかったなと思っている。リヴォンも嬉しかったことと信じたい。

 ザ・バンドは、音楽が肥沃な土地のように豊潤なものであることを僕に教えてくれた。そして、今にいたる僕の音楽嗜好をある意味で決定づけたバンドだ。彼らの音楽には、僕がそれまで聴いてきた音楽にはない深みがあるように思えた。ユニークで、メンバーそれぞれが個性的なのに、音楽の名のもと一丸となり、暗い森の中を進んで行くようなたくましさがあった。その原動力となっていたのが、リヴォンの機関車のようなドラムと、唸るようなヴォーカルだった。ザ・バンドの音楽は、旅人のものであると同時に、定住の歌でもあった。そんな大地を踏みしめるような佇まいは、リヴォンの個性であったような気がする。

 しかし、そんなリヴォンも癌には勝てなかった。癌は彼から徐々に体力を奪い、湧き出るような生命の力を削り取り、あの躍動するバック・ビートを止めてしまった。そのことを僕はまだ信じられないでいる。だって、僕の耳には今もリヴォンのドラムが、いつもと変わることなく聴こえているのだから。

 かつて、僕はザ・バンドについてこんな文章を書いたことがある。「もし僕に音楽の才能があったなら、ザ・バンドのような音楽をやるバンドを組みたい。メンバー全員が、音に深みを与えようと努力する。音楽を理解し、愛し、受け継いでいこうとするバンドを。そんな生き方ができるなら一生貧乏でもいいのになと、ちょっとロマンティックに思ってみたりもする」。今もこの気持ちは変わらない。ザ・バンドは僕にとって理想のバンドだ。

 ありがとう、リヴォン。これからもあなたの歌と共に。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2012-04-20 07:37 | diary | Comments(0)
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