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Sandfish Records Diary

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The Mother Hips

 久しぶりにマザー・ヒップスの『Kiss the Crystal Flakes』を引っ張り出して聴く。僕が以前勤めていたインディーズ・レーベルからリリースした作品だから、日本でこれを売り込んだのは僕ということになる(営業担当は僕ひとりだった)。

 昨日、懐かしい友達から電話があった。ちょうど最近、共通の友人から彼の近況を聞いたばかりだった。彼は僕がCD屋をやってると勘違いしていて、「実はほしいCDがあるんだけど、仕入れてもらえないかなぁと思って」と言った。僕は自分の仕事がCD屋ではなくインディーズ・レーベルなのだと説明し、「そんなわけで、悪いけど力にはなれないね」と伝えた。「でも、新しい音はいつもさがしてるよ」とつけ加えると、「じゃ、一応名前だけ言っておこうかな」と、彼は気になっているというそのアーティスト名を教えてくれた。聞いた事のない名前だった。それから、僕らは短い世間話をした。彼は今は横浜あたりで酒場をやっているという。「近いうちに呑みに行くよ」と僕が言うと、「朝までやってるよ。定休日は月曜日。今度の土曜日だけは休み」と教えてくれた。久しぶりに話ができて嬉しかった。

 電話を切った後、僕は教えてもらった名前で検索をかけてみた。しかし、そんなアーティストは見つからなかった。「スペルが違うのかな?」といろいろ試しているうち、ふとひらめくものがあって、思いついた名前を打ち込んでみた。ビンゴ。それはティム・ブラムが奥さんと一緒にやってるCDだった。そう、ティム・ブラムはマザー・ヒップスのメンバーなのだ。懐かしい友達が、懐かしい音楽を教えてくれた。そのことがなんだか可笑しくて、ついCDを引っぱり出したのだった。

 骨太なギター・サウンドと爽やかなコーラス・ワークが際立つ伝統的なウエスト・コースト・ロック。『Kiss the Crystal Flakes』は、5年前の春にリリースされた。その数ヶ月後、僕は勤めていたインディーズ・レーベルを辞めて、秋にサンドフィッシュ・レコードを始めた。あの頃とは自分を取り巻く状況も大分変わったが、マザー・ヒップスの音楽はあの頃と変わらず新鮮なままだ。あれからまだ5年なのだ。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2012-05-28 11:59 | diary | Comments(0)
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