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Sandfish Records Diary

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Happy Birthday, Bruce!

 今日は敬愛するブルース・スプリングスティーンの誕生日。63歳になりました。今年は『レッキング・ボール』というスプリングスティーン以外には誰にも作れないような素晴らしいアルバムをリリース。世界各国でチャート第一位を獲得し、アルバムを引っさげてのツアーも大盛況。今も3時間を越えるライブを展開するスプリングスティーン。そんな大充実な旅路での63回目の誕生日。心からおめでとう。

 しかし、この超人的なエネルギーはいったいどこからくるのか?僕がよく読んでいるとあるスプリングスティーン・ファンの若い女性のブログ(「遠い家への道のり」)にこんな記事があったのでご紹介。『ニューヨーカー』という雑誌の記事を彼女が訳したもの。えっと、勝手に引用(すみません)。

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 「1度チケットが人の手に渡ったら、ショーをやらないという選択肢は絶対にない」とスプリングスティーンは私に言った。私たちはバルセロナの広い間に合わせの控室に2 人きりでいた。「いいかい、俺たちがやっているのはビジネスでもあり、商取引が存在している。チケットというのは俺からの握手であり、可能な限り最後まで何も心配ないようにするという約束に等しい。それが俺の契約なんだ。若い時からそのことはとても真剣に受け留めてきたよ」。控室で疲弊を覚える夜もあるが、ステージにはいつも魔法がある。「突然、疲労が吹っ飛ぶんだ。変化が生じる。それこそ俺たちが売っているものでもある。俺たちは可能性を売っているんだ。半分は冗談みたいなもの。俺がステージに出て行って、パチンとスイッチが入り、俺は言う『みんな大変化を遂げる準備はいいか!』。え?ロックコンサー トで?ギターを抱えた1人の男が?おふざけという部分もあることはある。でも、同時に、よしやるぞ、何ができるかやってやろう、というふうにも思っている」。

(中略)

 「君は孤立しながらも、誰かに話しかけたいという強い思いを持っている。すごく無力で、自分が生きていること、存在していることをガツンと教えてくれるもの、認めてくれるものを探し求めている。俺たちが望むのは、みんなが会場を去る時に、ほんのちょっとでいいから何らかの共同体にいるという感覚を得て、 自分の選択肢の可能性について来た時より感情的に前向きになってくれるということ。俺たちは少しばかりみんなに力を与え、みんなも俺たちに力を与えてくれる。つまり、無益さと実存的孤独に対する闘争だ!みんなで火の周りで身を寄せ合いながら、不可避の運命があるという感覚を必死に追い払おうとするみたいな感じなのかもしれないな。俺たちが互いにやっているのはそういうことだよ。俺は、最前列の若者の目を覚まさせ、その人が2度と忘れないようなショーをやり たいと思っている。俺たちはとにかくみんなの傍にいようとする、それだけだ。君を俺たちの仲間に入れ、君の旅に俺たちを加えてもらう。一生の旅にね。それこそ俺たちが常に力を注いできたことなんだ。」


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 僕は何度もため息をつきながら、この文章を読んだ。読み終わった後には思わず天を仰ぎ、凄いなぁと思った。つまり、音楽で人に感動を与えるというのは、その歌が聴いた人の人生の一部になるというのは、これほどの熱量をもって為されることなのだ。すべてがそうだとは言わない。けれど、ブルース・スプリングスティーンほど才能ある人にして、これだけの気持ちがないと成し遂げられないことなのだ。言葉のひとつひとつが雄弁に「何か」を語りかけてくる。ここからは実に多面的なことを学ぶことができる。

 改めてたくさんの感謝と愛を込めて。Happy Birthday, Bruce!

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2012-09-23 11:37 | diary | Comments(2)
Commented by asbury at 2012-09-29 02:32 x
MIYAIさん、『New Yorker』の記事をMIYAIさんが読んでくださったと知ってとても嬉しかったです。そして、ブルースのお誕生日の記事で引用していただいて、本当に光栄であります.。o○ありがとうございます。

私が初めてテレビでブルースを観たときはグラミー賞でのパフォーマンスだったので、コンサートではないのだけれど、でもどこか、ここでブルースが言ったような気持ちになったことを、改めてMIYAIさんが引用してくださったところを読んでいたら、思い出しました。
Commented by sandfish2007 at 2012-09-29 06:35
◇asburyさん
いえいえ。こちらこそ勝手に引用してごめんなさい。『ニューヨーカー』の一連の記事は、どれも興味深く、読み応えのあるものでした。asburyさんが翻訳してくれなかったら、きっと読むことはかったでしょう。ありがとうございました。

グラミーでのパフォーマンス、当時僕も観ました。ああいう場での演奏とは思えないくらい会場と一体感がありましたね。ちなみに、僕が初めて動くブルースを観たのは大ヒット中の「ダンシング・イン・ザ・ダーク」のプロモでした。懐かしや。

MIYAI
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