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Sandfish Records Diary

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32回目のジョンの日

 今日はジョン・レノンの命日なので、部屋ではジョンの歌が流れている。別に珍しいことじゃないが、この日はなんだか特別なのだ。ジョンが撃たれた日のことはよく覚えている。あれから毎年この日になると、いつもとは違う心持ちでジョンの歌を聴いている。そんな風にして32年もたってしまった。

 愛とか平和とかよく言われるけど、そのたびジョンが引き合い出されるのは、なんだかしんどい。というのも、この32年間でジョンのイメージはだいぶ都合よくいじくりまわされた気がするからだ。でも、ジョンはジョンでしかない。心を開いて彼の歌を聴けば、それがわかるはずだ。今もなおジョンのメッセージは、誰よりもストレートで荒っぽく胸に突き刺さる。優しい歌さえ刺激的で痛みを伴う。ジョン・レノンは毒なのだ。

 ジョンの歌の凄さは、その喜怒哀楽の振幅の広さだ。本質からもうひとつの本質へ。真実からもうひとつの真実へ。剥き出しのまま提供される傷ついた心。それを美しくないと言うのなら、一体この世のなにが美しいのだろうか。ジョンの歌を聴くとき、僕らもまた裸になる。そして、自分の心や感情に正直であろう誓い、そのことに怯えるのだ。

 ときどき話すことだけど、32年前のあの日、僕はラジオで初めてビートルズとジョン・レノンの歌を聴いた。あの瞬間、僕の人生は大きく舵を切った。まだ10歳だった。だから、今日は僕にとっては記念日でもある。大好きな人がこの世を去ったことで、新しい扉が開かれた。そんな痛みと、言葉にならないほどの感謝をもって、毎年この日を過ごしている。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2012-12-08 07:40 | diary | Comments(2)
Commented by アラン・ボブ at 2012-12-09 15:31 x
32年前、中学生だった私は、ビートルズの赤盤、青盤を既に聞いていました。
赤盤はいい曲ばかりなのに、青盤を買って聞いたら、奇妙な曲が並んでて、まるで別なグループのようだと思いました。
ルックスも、青盤のジャケット写真を見て、長髪に髭の3人より、綺麗な顔をしているポールが好きだなあ、と思ってました。
そしてジョンが死んだ時、ショックを受けて、そんな自分にショックを受けました。
ルックスも曲も、ポールの方が好きなのに、なぜショックを受けるのか。
おそらく、喉元まで水が来ているのに気づかず、ジョンの死がきっかけになって堤防が決壊したのだなと、私は判断しました。
ジョンの死後、今まで気持ちが悪かったジョンの曲はすっと私になじみ、追悼の気持ちもあって「イマジン」のアルバムを買った記憶があります。
ジョンの死がきっかけで、ジョンを好きな自分の気持ちに気が付いたのは不幸な事かも知れませんが、こっちはなにしろまだ中学生だったので。
ジョンは毒、とMIYAIさんが書いてるのを見て、昔チューリップの財津和夫氏が、ジョンは劇薬、ポールは妙薬と書いていたのを思い出しました。

Commented by sandfish2007 at 2012-12-11 06:37
◇アラン・ボブさん
素敵なコメントをありがとうございます。読みながら、ひとりひとりにとっての1980年12月8日(9日)があるんだなぁと改めて感じています。なにかを好きになるきっかけをこちらで選ぶことはできないけど、今こうしてジョンの歌を特別な気持ちで聴けるのは幸せなことだと思います。そういえば、僕も赤盤に比べると青盤の良さに気づくのに時間がかかった気がします。なんせ小学生でしたからね。まぁ、お互い昔の話であります。財津氏のその言葉は、僕も聞いたことがあります。ポールの妙薬というのがうまいですね。
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