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Sandfish Records Diary

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冬の朝に、ジョン・ミラーを聴く

 久しぶりにジョン・ミラー。あったかい部屋であったかいコーヒーを飲みながらあったかい歌を聴く。もしジョン・ミラーのようなおじさんが親戚にいたらどんなにいいだろう。きっと僕は小バエのようにうるさいくらいまとわりつくと思う。いっぱいリクエストして、ギターだって教えてもらえる。ジョンおじさんはそんな僕にも、いつも優しい。あのジャガイモのような笑顔を浮かべて「じゃ、そこにあるギターをとってくれるかい?」とか言ってくれるのだ。そうに違いないのだ。

 数年前、下北沢の小さな店でジョン・ミラーのライブを観た。ステージは2部構成だったんだけど、お店はお客さんでいっぱいで身動きが取れないほどだった。通路をふさがれた状態で、ジョンは楽屋に戻ることができず、休憩中ずっとステージの椅子にひとりで座っていた。その佇まいがなんともよくて、僕は静かに感動したのだった。そのときサインしてもらったレコードは宝物だ。
 
 たくさんの人に向けられた言葉より、ふとこぼれ落ちるつぶやきの方が胸に残るように、僕は30歳を過ぎた頃から、生活の中にある音楽により心を動かされるようになった。その嘘のなさ、てらいのなさ、ささやかさ、退屈さこそが、本物なんだと思うようになった。ジョン・ミラーの音楽と出会ったのは、それからしばらくしてからだったと思う。

 この季節、暖めた部屋の中でジョン・ミラーのレコードを聴くのは、間違いなく豊かなことだ。ジョンの歌は、当たり前の風景の中にある。そこにはあなたがいて、僕がいる。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2012-12-19 07:29 | diary | Comments(0)
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