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Sandfish Records Diary

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先のことを考えたってしょうがない

 僕は古いロックが好きで、今でも一番よく聴くのは60年代から70年代半ばくらいまでの作品が多い。ただ、そういうのしか聴かないというのもなんだかつまらなくて、まぁ現在進行形のレーベルをやっているというのもあるのだけど、自分の許容範囲内であれこれと手を伸ばしては音楽を楽しんでいる。

 ロックを聴くようになって30年以上がたった。僕が聴き始めた頃、ロックは若者が好む音楽の代表だった。ロックを聴くという行為自体がなんとなくかっこよかったし、かっこつけで「ロックン・ロール」という言葉を使う人もけっこういた気がする。その頃から僕はリアルタイムな音楽よりも、10年前とか20年前の音楽の方が好きだった。初めて聴いたときからすごく新鮮に感じたし、少しも古いとは思わなかった。

 で、今もその頃の音楽を好んで聴き続けている。ただ、時間がたったことで、それらは40年前や50年前のものとなり、今ではそれらを古い音楽なんだなと感じるようになった。自分は古い音楽が好きなのだなと。

 若者がストーンズやボブ・ディランに夢中になることは今でもあるだろう。でも、そんなに多くないような気がするし、少ない方が自然だと思う。いつの時代にも若者が必要とする音楽はあるはずだし、あった方が幸せだという気がする。今は時代そのものがここまで多様化しているので、夢中になる音楽が必ずしもリアルタイムなものである必要はないと思うが、ただそれが40年前とか50年前の音楽ということになると、ちょっと行きすぎかなぁと思わないでもない。

 30歳の頃、ものにならない小説を書いていたとき、僕は同世代の人達に向けて物語を書こうと考えていた。それが一番自然で正直なやり方に思えたからだった。今はレーベルをやっていて、幅広い世代の人達にうちの音楽を届けたいと思っている。しかし、ティーンエイジャーや、僕よりずっと年配の人達が、サンドフィッシュ・レコードの作品に強い興味を示してくれることを、うまく想像できないでいるのも事実だ。そうであればいいなと願っているだけだ。そして、もしレーベルを長くつづけることができたとした場合、60歳とか70歳になった僕が紹介する音楽を、果たして若い人達は聴いてくれるのだろうか。それでも僕は幅広い世代の人達に喜んでもらいたいと思えるのだろうか。どうなんだろう?

 以前、バーでこんな話をしたら、「先のことを考えたってしょうがない。ミュージシャンは先のことなんか考えない」と友人に言われた。なるほど。確かにそうなのかもしれない。先のことを考えたり、過去と今を比べたりするから、わからなくなるのだ。僕らは変化の中を生きている。今この瞬間を生きている。だから、信じることをやればいい。それは、確かに、その通りなのだと思う。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2013-01-22 06:37 | diary | Comments(0)
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