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Sandfish Records Diary

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ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドを観た夜

 ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドのライヴを観てきた。素晴らしかった。ジムは真の粋人で、その立ち振る舞いはかくしゃくとし、本当にセンスがいい。ギターも歌も出過ぎることはないのに、常にバンドの中心にいた。リズム感も抜群だった。この人の下に、これだけ個性的で才能のある人達が集まったことで、ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドは他に類を見ない特別な存在となれたのだなと思った。ジェフ・マルダーとマリア・マルダーはさすがに華があり、現役感はバンドの中でも際立っていた。ステージでの振舞いやユーモア、もちろん歌声まで、すべてが素晴らしかった。ジム、ジェフ、マリアの3人がフロントに並び歌うのを観るというのは、やはり格別なものがあった。リチャード・グリーンとビル・キースは、ちょっと衰えてたかな。リチャードには歳相応の味わいがあり、演奏にも貢献していたが、正直ビルは影が薄かった。もうひとりのメンバーであるフリッツ・リッチモンドは、残念ながら既に亡くなっている。それでも、ステージには彼のためのスペースが用意され、愛用のジャグが置かれていた。これもまた、彼らを取り巻く現実だ。サポート・メンバーでは、タローのマンドリンが光っていた。とてもフレッシュな演奏で、彼が弾き出すとバンドは活気づき、勢いが生まれた。老練にして豊潤なこのバンドの音に、タローの若さ溢れる演奏が不釣合いだと感じる向きもあったかもしれないが(おそらく以前の僕ならそう思ったはずだ)、この夜はかえって新鮮に感じられた。こうして音楽は受け継がれていくのだなぁと思うと、なんだか嬉しいくらいだった。

 今も変わらず自然体で演奏を楽しんでいる彼らの姿から伝わってきたのは、音楽と共に生きるというのはこんなに素敵なんだということだった。若さはいつかは失われていく。しかし、同時に得るものもたくさんある。ただ失うだけでなく、それらをしっかりと身につけることができるかどうかは、すべて自分次第だ。そのためには、音楽を愛し、楽しみ、腕を磨くのをやめないことが大事なのだろう。この夜、僕が受け取ったのは、そんなしなやかな感性だったのかもしれない。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2013-04-13 07:30 | diary | Comments(0)
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