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Sandfish Records Diary

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リッチー・ヘヴンスを偲んで

 今朝は、先日亡くなったリッチー・ヘヴンスのレコードを聴いている。ヘヴンスといえばウッドストック・フェスティバルでの名演が有名だが、僕がレコードで持っているのは『ミラージュ』という1977年の作品だけだ。ロック寄りのソウルといったサウンドで、当時最新だったフュージョンやディスコの要素も取り入れている。ウッドストックで観られたアコースティック・ギターをかきむしるフォーク・シンガーとしてのイメージは感じられない。僕がこのレコードを買ったのは、ご多分に漏れず、ウッドストックでのリッチー・ヘヴンスに度肝を抜かれたからだった。なので、期待していた音とは大分違ったこともあり、ほとんどターンテーブルにのせることはなかった。それが亡くなったというニュースを耳にした途端、こうして聴いてたりする。我ながら「なんだかなぁ」と思う。

 幸い久しぶりに聴いた『ミラージュ』を、僕は楽しむことができた。コンテンポラリーな明るいサウンドは、思っていたよりもしっくりと馴染んでいた。そこには、ヘヴンスらしい知性や繊細さがちゃんと息づいていたし、あの独特の熱気も健在だった。「ノーバディ・レフト・トゥ・クラウン」が、このアルバムで唯一、いくらかフォーク・シンガーとしてのヘヴンスを感じさせる曲で、ウッドストックの映画で観たみたいにアコースティック・ギターを激しくかき鳴らしている。買った頃、この曲は何度かリピートして聴いた記憶がある。

 リッチー・ヘヴンスのことを思い出すとき、僕はこれまで通り、ウッドストックでの勇姿を思い浮かべるだろう。でも、それだけの人じゃなかったということもまた同時に思い出すだろう。ヘヴンスの72年の人生は、ウッドストックのときに止まったわけではない。そんな当たり前のことを、つい忘れてしまうのは、本当になぜなのだろう。
 
 MIYAI
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by sandfish2007 | 2013-04-25 08:27 | diary | Comments(0)
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