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Sandfish Records Diary

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君は中西文彦を知っているか?

 金曜日の23時30分から始まる「サウサリート」の「真夜中ライヴ」。昨夜はブラジリアン・ギターの中西文彦さんだと聞いて、ラジオ収録後に足を運んだ。リーダーを務めるザ・シャンゴーズの他にも、様々な演奏形式での活動をしている中西さんだが、昨夜はソロでのパフォーマンス。今年は精力的に行っているそうだけど、僕にとっては数年ぶりのソロだった。そして、これがつくづく素晴らしかったのだ。

 繊細なタッチと激しいカッティングの間を自在に行き来するギター。この枠から自由に逸脱していくダイナミズムこそが、中西文彦の最大の魅力だ。かつては、ソロはソロ、バンドはバンドといった感じで、それぞれに求めているものの違いがはっきりしていたのだが、今はそうした活動のすべてがひとつに繋がったのだろう。例えば「トリステーザ」や「ジェルソミーナのテーマ」といったスタンダードさえも、これぞ中西文彦といったオリジナリティ溢れるヴァージョンに生まれ変わっていた。それは、エグベルト・ジスモンチのアヴァンギャルドな曲でも、ショーロでも、クラシックでも、映画音楽でも、同じことだった。そして、白眉はやはりトレード・マークとも言えるバーデン・パウエルの曲での演奏だ。完全に自分のものにしたという自信があるのだろう。そんな余裕から生まれるスリリングな演奏は本物で、僕は幾度となく息を吐かずにはいられなかった。

 深夜のバーでのライヴということで、いつもとは違う雰囲気だったと思うし、これが本気の演奏ということでもないだろう。だからこそ、中西さんの地力がその分ひしひしと伝わってきたのかもしれない。元々音楽的な引き出しの多い人ではあったが、ソロ・ギターの演奏でここまでたくさんの景色を見せてくれるとは、正直僕も想像していなかったから、終演後は軽いショックと興奮にしばらく浸ることとなった。

 中西さんのギターを初めて聴いたのは、今から7~8年ほど前だろうか。そのときから既に素晴らしいギタリストだったけれど、今の方がずっといい。技術的にも上手くなっていると思うし、なにより独自の世界観が確立されたのだなという感慨を覚えずにはいられない。もしかすると、全盛期といってもいいのではないだろうか。だから、今朝は素晴らしい音楽に出逢ったときの興奮した気持ちで、この日記を書いている。中西文彦という一般的にはあまり知られていない、凄いギタリストのことを知ってもらいたい。もっとたくさんの人に注目されるべきだし、そういう扱いを受けるべきだ。ぜひ彼のライヴに足を運んでみてほしい。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2013-05-25 09:42 | diary | Comments(1)
Commented by at 2016-07-04 09:43 x
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