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Sandfish Records Diary

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悲しい夜は自由になれる

 関西からシンガーソングライターのAZUMIさんがやって来て、馴染みのバー「ケインズ」でライヴをやった。このライヴを企画したヤクの歌もよかったし、ビトちゃんもさすがのパフォーマンスだったけど、正直な気持ちを書くと、AZUMIさんはあらゆる面で格が違っていた。ギターの腕前や歌の表現力はもちろんだが、多分僕が言いたいのはそういうことじゃない。AZUMIさんの音楽は、AZUMIさんの人生が元手になっている。その鮮やかさ。どぎつさ。優しさ。悲しさ。過ごしてきたであろう時間の重さ。深さ。多分、僕が言いたいのはそういうことだ。

 昨夜、AZUMIさんはこんなことを歌っていた。「人間ね、行くとこまで行かんとあかんのですわ。行くとこまで行ったらね、なんでも解決しますから。あんまり悲しいことやつらいことがつづき過ぎると、体がふーっと楽になるときがあるんですわ。悲しい夜は自由になれる。俺は俺だけを見つめてればいい」。

 悲しい夜は自由になれる。

 こんな僕でさえ、そんな風に思ったことはある。あの感覚を想い出すとき、切ないながらもどこか心地良いのは、きっと僕は僕でこれまでなんとか生きてきたんだなと、そんな風に思えるからだろう。そんな夜は、確かに自分のことだけを見つめていればいいのだ。

 僕はカウンターにもたれながらAZUMIさんの歌を聴いていた。時折、焼酎をすすりながら聴いた。心の襞にAZUMIさんの人生が沁みこんできて、気がついたら身を乗り出して観ていた。目を閉じて聴いていた。「ケインズ」が拍手に包まれた。目を開けると、AZUMIさんがヴァン・モリソンのように何度も足を振り上げていた。AZUMI、ワン・モア・タイム。かっこ悪いのがかっこいい。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2013-08-25 09:39 | diary | Comments(0)
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