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Sandfish Records Diary

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月の季節

 今朝は『ネブラスカ』。外は曇り空。コーヒーは相変わらず黒い。ミルクを入れて色を薄める。今日から昼よりも夜の時間が長くなる。昨日、ラジオの収録があった。僕らはマイクの前で「月」の話をした。『ネブラスカ』は、儚い月の光に照らされたようなアルバムだと思う。

 秋分の日。分水嶺のように昼と夜が均等に分けられた。僕は午前中は外へ出て、午後は部屋で過ごした。インターネットで良さそうな物件を見つけたので、それが平坦な土地にあるのか、それとも坂の途中にあるのかを、確めに出かけた。それは平坦な細い裏道に面して建っており、隣は空き地になっていた。犬を連れた通りがかりのおじいさんが、そこには県道が通る予定だと教えてくれた。でも、周囲の緑を残すことになれば、通らないかもしれないとも言った。緑は深く茂り、奥には池があるのだと、そのおじいさんは付け加えるようにして言った。

 僕らは少し遠回りをして、途中のマクドナルドで昼食用にフィレオ・フィッシュとダブル・チーズ・バーカーをテイク・アウトした。それからは自宅のリビングに腰を落ち着けて、トイレに行く以外は部屋を出ようとしなかった。妻はノート・パソコンを開き、僕は読みかけの小説を読んだ。6畳間にふたりだけなのに、僕らはあまり言葉をかわさなかった。外は曇り空で、陽はたまにしか射さなかった。それでも時計は正確に秒針を刻み、やがて夜がやって来た。

 赤魚と焼きナスと冷やしうどんを拵えて、日本酒と一緒に食べた。それから僕はラジオの収録に出かけた。外では雨が降り出していた。収録後、番組のパーソナリティーである友人が、先日訪れた大船渡の話をしてくれた。帰宅すると、妻がテレビで観た女川さいがいFMのドキュメンタリーの話をしてくれた。そこには不思議な符号があり、被災した当事者にしかわからないことがあるんだという現実を(圧倒的な現実を)、僕に語りかけてきた。

 今日から昼よりも夜の時間が長くなる。しばらくの間、太陽よりも月が世界を照らすようになる。どうか優しい光に包まれますように。その光がいくらかでも、ロマンティックなものでありますように。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2013-09-24 07:21 | diary | Comments(0)
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