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Sandfish Records Diary

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Come on, Rise Up

 震災から3年目の昨日、僕はいつもと変わらずアルバイトをしていた。14時46分になっても、黙祷を捧げる者は誰もいなかった。僕も電話対応に追われていた。休憩時間になり、海の方に向かって小さく祈った。

 帰宅してから、3年前のこのブログを読み返し、当時のことが胸に蘇った。あのとき僕は日常を取り戻そうとしていた。被災した人達がいつでも戻ってこれるような日常を、僕らがキープしておかなければならないと感じていた。希望と可能性はいつだって近くにあるのだということを伝えられるように。

 震災の2日前、エドウィナ・ヘイズ『コーヒー・タイム』をリリースしたばかりだった。震災から数日たって、送ったCDが東北のお店に届いたと知ったときは嬉しかった。それから東北各地のラジオ局に手紙を添えて音を送った。自己満足でしかなかったかもしれないが、それでも音楽を届けられることが嬉しかった。

 家ではブルース・スプリングスティーンの『ザ・ライジング』を繰り返し聴いていた。9.11のテロに触発されたアルバムで、被災者や遺族の哀しみ、再生への希望を、これほど見事に歌に込めた作品はない。スプリングスティーンは、悲劇的で八方塞がりな現実を、音楽の力で救済の物語へと昇華している。言うまでもなく、僕はこの作品を震災と重ね合わせて聴いていた。

 昨夜もこのアルバムに収められた「マイ・シティ・オブ・ルーインズ」を聴いた。廃墟となった故郷の町のことを歌っている。ゴスペル調のコーラスが聞こえ、スプリングスティーンが「Come on, Rise Up」と繰り返し歌う。

 Come on, Rise Up

 僕はこの言葉をこんな風に力強く叫ぶことができない。つい躊躇してしまう。でも、心の中ではいつも呟いている。一緒に立ち上がろうと語りかけている。あれから3年、今も尚26万7千人の人達が避難生活を送っている。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2014-03-12 07:37 | diary | Comments(0)
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