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Sandfish Records Diary

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シェイプス&パターンズ

 スウィング・アウト・シスターの『シェイプス&パターンズ』を聴いたら、やけに懐かしい気持ちになった。クレジットを見ると1997年の作品だから、僕は27歳だったことになる。社会人3年目で安アパートに一人暮らし。会社の給料は普通だったけどボーナスや住宅補助がちゃんとあったので、贅沢をしなければ多少の貯金は勝手に貯まった。僕のこれまでの人生で自由に使えるお金が一番あった時期だった(翌年にはその会社も辞めちゃうのだけど)。バブルは数年前にはじけていたけれど、音楽業界はまだ元気で、僕のような無粋者でもちょっとはお洒落なことに気をかけることができた。だからだろうか、スウィング・アウト・シスターのこのアルバムを聴くと、先行き不安など(少なくとも僕は)感じていなかったあの頃の華やいだ気持ちを思い出すのかもしれない。

 今では多くの人達が得体の知れない不安を抱えながら毎日を過ごしている。「あの頃はよかった」などと言うつもりはないし、比較するのもナンセンスだ。なぜなら僕らは今を生きているわけだし、それしかないからだ。時代はいつだっていい事もあれば悪い事もある。それでもこんなことを書いているのには、それなりの(僕なりの)理由があったりする。この15年ほどを振り返ると、身近でも心の病気をする人が増えたし、中には自ら死を選ぶ人もいた。それはけっして他人事ではなく、ちょっとバランスを崩したら、誰しもそうなる可能性があると感じるからだ。先日もそんな知らせを聞いたばかりだ。

 僕が住む町にも、ときおりバブル時代にあったような店が開店して、僕より歳上のおじさんやおばさん達が楽しそうにお酒を呑んでいるのを見かけることがある(店がオープン・テラスだったりするのだ)。僕はああいう店は好きになれないが、彼らもその店で華やいだ気持ちを思い出すのかもしれないし、少しばかりほっとするのかもしれない。それならそれでいいのかなと思ったりもする。僕が好きか嫌いかなんて、どうでもいいことだ。

 MIYAI
by sandfish2007 | 2014-11-28 07:46 | diary | Comments(0)
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