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Sandfish Records Diary

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盆栽

 盆栽。精巧にして緻密なミニチュア造形美。かつてはお爺ちゃんの趣味の代表格として君臨。カミナリ親父(という言い方も最近はしないな)が大切にしている盆栽を子供達に壊されて怒るシーンは、日常の典型的な一コマとして、「サザエさん」や「ドラえもん」等の例をあげるまでもなく、枚挙にいとまない。

 昨夜はそんな盆栽の話をカウンター越しにした。近年における盆栽の世間的な位置づけ、盆栽に注がれるべき情熱の種類と傾向性、盆栽における男女の差異(優位性の有無)、えとせとらえとせとら。「盆栽はじっくりと時間をかけて楽しむもので、一朝一夕にはいかないからな。ある程度の精神的な鍛錬が必要な趣味だし、小僧にはわからないんだろうな。それにあれだけ奥深い世界だと、仕事で忙しい時期にはのめり込めないのも、なんとなく理解できるよ。だから、昔から定年を迎えて始める人が多かったのかもしれないね。それでお爺ちゃんの趣味ってイメージができたんじゃないかな。定年というと60歳か。俺はあと15年か。ふむふむ…」なんてことを言っていると、店主に「宮井さん、俺たちが60歳でのんびりしてられると思いますか?必死に働いてるに決まってるじゃないですか」と言われて、はたと我に返った。そうか、確かに60歳で盆栽にのめり込める余裕などあるわけがない。

 友人その1:それじゃ、いつになったら盆栽を始められるんですか?
 店主:60歳じゃ無理なのはまず間違いないな。
 友人その2:70歳ですか?
 MIYAI:…いや、無理だ。80歳でどうにか。せめてそうありたい。
 店主:俺たちは死ぬまで働くしかないんだよ。
 MIYAI:そうだよな。死ぬまで無理かもしれない。

 僕はすっぱい金平をつまみながら、熱燗をちびちびと呑んだ。看板の灯りは落とされ、いつしか客は僕しかいなくなっていた。店主がカウンターに座り、ビールを呑み始めた。自分で選んだ人生だ。盆栽は生まれ変わったときの楽しみにとっておこうと思った。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2015-03-08 09:38 | diary | Comments(0)
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