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Sandfish Records Diary

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震災から4年

 4年目の震災の日。あの日を境に僕の中で何かが確実に変わった。でも、果たして何が変わったのか?それは4年たった今も依然として漠然としたままだ。

 その10ヶ月前、僕は親父と東北の海岸線を自転車で走っている。福島県南相馬市から仙台まで。原ノ町駅から海へ向かい、大洲海岸、松川浦、相馬港、亘理(鳥の海)、仙台。できるだけ海岸線に沿って走った。当時は妹一家が仙台市内に住んでいたのだ。あのとき目にした風景のほとんどが、10ヶ月後に大きく変わるとは思いもしなかった。今も手元にはあのときの写真があり、親父が綴った記録が残っている。美しい松林の中を走った想い出も…。偶然の巡り合わせとはいえ、あのときあの場所を訪れることができたことを、胸の痛みとともによかったと思う。

 震災の数日前が、エドウィナ・ヘイズ『コーヒー・タイム』の発売日だった。しかし、当然のことながら音楽を売るようなムードではなかった。そんな中、つきあいのあった東北のお店にエドウィナのCDが無事に届いたと知ったとき、僕はある種の高揚感に襲われた。僕は手紙を書き、被災した地域の大小のラジオ局にエドウィナのアルバムを送った。音楽で役に立ちたかった。自己満足だとはわかっていたが、あのときの僕はやるしかなかった。

 家ではブルース・スプリングスティーンの『ザ・ライジング』を繰り返し聴き、魂の救済について考えた。10ヶ月前に実際に見た風景と、テレビの画面に広がる光景には、あまりにも大きなギャップがあった。それは僕の心の中にもある種の乖離を生んだ気がする(とても個人的なレベルではあるけれど)。エドウィナがこんなメールをくれたのを覚えている。「ニュースを聞いたとき、あなたが住む町は無事なのかをまず調べました。もしあなたが私の音楽を必要とし、あなたがそうすべきだと思うのなら、連絡をください。私は日本へ行きます。ギャラはいりません。渡航費も心配しないでください」。当時、彼女の優しさに自分がどれほど励まされていたのかが、今になってみるとよくわかる。

 あれから4年の月日が流れた。今も毎日が苦しいという人達がいる。確実にいる。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2015-03-11 07:54 | diary | Comments(0)
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