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Sandfish Records Diary

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AZUMI

 これまでプロアマ問わず数えきれないほどの弾き語りライヴを観てきた。その多くは退屈だったり、いたって普通だったり、そこそこ楽しい程度だったりしたが、極たまに素晴らしい演奏に心うち震えることもあった。その中でも間違いなくベストのひとつだったと言えるのが(もしかするとベストだったのが)、2年前の夏に観たAZUMIさんのライヴだった。

 2年前のライヴの感想:悲しい夜は自由になれる

 歌と演奏が高い技術とミュージシャンシップに裏打ちされているのは当然のこと。AZUMIさんの歌は、自らの人生を元手にしている。若い頃に傷ついた無垢な魂には今もかさぶたが残っていて、めくれば血が流れるだろう。AZUMIさんは人生を開け放つようにして歌う。その表現力の深さ、優しさには、ただ圧倒されるばかりだ。

 昨夜、久しぶりにAZUMIさんのライヴを観た。若き才能あるシンガーソングライターであるところのヤクが、悲しさをたたえるような素晴らしい歌声を聴かせてくれた後、AZUMIさんはギターを手に取り、歌い始めた。それはやはり圧倒的な演奏だった。歌とギターが一体となり、AZUMIさんそのものとなって、さざ波のように、ときに荒波のように、押し寄せては引き返していった。そして、砂浜に模様を刻むように、僕の心に消しがたい何かを残していった。

 アコースティック・ギター1本と歌だけで、人はここまで自分を、そしてその向こう側の世界を表現できてしまうのだ。そのことをAZUMIさんは証明している。終演後、2年前のライヴ音源を聴いた。カウンターの誰もが黙り込み、時折笑みを浮かべながら、20分に渡る曲に聴き入った。それは本物の音楽の力だった。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2015-06-28 10:32 | diary | Comments(0)
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