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Sandfish Records Diary

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ビル・キースに捧ぐ

 ビル・キースの訃報が届いて淋しい。このブログを読んでくれている人にとっては馴染みの薄い名前かもしれないが、ビルは偉大なミュージシャンで、ブルーグラス・バンジョーの第一人者だった。僕が持っているレコードでも彼の演奏をたくさん聴くことができる。ペダル・スティール奏者としても一流だった。

 30歳を過ぎた頃、僕はウッドストック系と呼ばれるホームメイドな音楽に心を奪われた。そして、そこを入口に豊かなルーツ・ミュージックの世界へと足を踏み入れたのだった。大学の先輩に詳しい人がいて、彼の家でレコードを聴かせてもらっては、気に入ったものをさがしに中古レコード屋へ出かけた。レコードを抱えて帰宅し、1枚づつターンテーブルにのせるのは楽しかった。ジャケットのクレジットを見ると、そこにはたいていビル・キースの名前を見つけることができた。

 一昨日、その先輩から数年振りに連絡があった(再婚の報告だった)。ちょうど僕はその頃に買ったレコードを聴いていた。今度の日曜日、森や林や山がジャケットのレコードを集めてお酒を呑むことになっており、あの頃に買い集めたレコードにもそういうものは多いからだった。先輩からの電話を切った後、僕は懐かしい気持ちでそれらのレコードを手に取り、そこかしこにビル・キースの名前を見つけては「すごいなぁ」と改めて感心した。

 まさかその2日後に訃報が届くとは思わなかったけど、長く音楽を聴いていると、こういうことは不思議とあるもの。なにかに導かれるように古いレコードを引っぱり出すのだ。単なる偶然なのかもしれないけど、それだけで片づける気にもなれない。言葉では説明のつかない縁を感じる。音楽がビルと僕の心を結びつけてくれたのだ。今は静かに感謝を捧げたい。
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by sandfish2007 | 2015-10-24 07:40 | diary | Comments(0)
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