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Sandfish Records Diary

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ハード・タイムス

 仕事とかあれこれを済ませたところで午後7時になった。僕は神経をやられ、ぐったりしていた。休息が必要だった。ひとりキッチンのテーブルにつき、缶ビールを飲んで、用意してあった鶏ご飯を食べた。そして、結婚して以来あまり聴いていなかったボブ・ディランのアルバムを聴いた。

 その中にフォスター作の「ハード・タイムス」という歌があった。厳しい不況の時代を歌った曲だが、聴く人によっては様々な場面に当てはまる歌だ。昨夜の僕にもぴったりとはまり、深く心に沁み入った。「ひとつの歌がいついつまでも鳴り響く。そんな辛い時代はまっぴらだ。疲れた人の、ため息うたった歌がある。辛い時代はもう来ないでほしい」と歌われる。

 僕がこの歌を知ったのは、22歳のときだった。いい歌だなと思ったが、こんな風に沁み入ってこなかったのは、時代のせいなのか、それとも僕自身の問題なのか、それはよくわからない。ただ、歌いつがれてきた歌というのは、やはり凄いものだなと改めて感じた。そして、この歌をこんな風に感じるときが来るとは、あの頃は思いもしなかった。

 ボブ・ディランの弾くアコースティック・ギターと歌だけの演奏に、僕の神経は次第にほぐれていった。自分にとってこの音楽がどれだけ大切なのかを思い出した。

 着替えて馴染みのバーへ出かけた。そこに友達がやって来て、思いもよらずマニアックな話をした。この日が誕生日の友達にも会えた。僕はいつものように赤ワインを飲んだ。アート・ペッパーの『アート・ペッパー+イレブン』とビートルズの『ラバー・ソウル』が流れていた。夜がゆっくりと確実に更けていくのが、心地良かった。

 陽気なひととき、楽しく愉快な音楽を求め
 かよわい姿が戸口でぼんやり立っている
 何日間も我が家のまわりを歩いていたね
 辛い時代はもうまっぴらだ
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by sandfish2007 | 2015-11-03 07:43 | diary | Comments(2)
Commented by アラン・ボブ at 2015-11-03 17:05 x
 私は、CDの時代になってジャズを聴き始めたので、ジャズのレコードは1枚も持ってなくて。
 こないだ初めて買ったレコードが、アート・ペッパーの「モダン・アート」です。
 CD時代から欲しかったのですが、延び延びになってて、
結果手に入れたレコードが、モノラル盤なので、満足してます。
 買った時、一度聴いただけなので、今夜聴きます。
Commented by sandfish2007 at 2015-11-03 23:31
きっとアラン・ボブさんにとって『モダン・アート』は、そういうご縁のレコードだったのでしょうね。僕にも延び延びになっているものがいくつもあります。いつか我が家へやって来るときが来るのでしょう。楽しみですね。
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