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Sandfish Records Diary

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アラン・トゥーサンに捧ぐ

 アラン・トゥーサンの訃報から一夜、大きな穴がぽっかりと空いてしまったような、そんな喪失感がある。2015年11月9日、ツアー先のスペインのホテルで心臓発作に襲われ、息を引き取ったという。享年77歳。

 ちょうど10年前、ハリケーン・カトリーナがニューオーリンズに甚大な被害をもたらしたとき、トゥーサンが行方不明だと聞いて心配した。その後、避難所にいることがわかりほっとしたものだった。翌年にまさかの来日公演が決まり、僕も足を運んだ。背筋がすっと伸びた長身に、清潔感のある身だしなみ。親しみやすさと威厳をたたえた所作は、まさにトゥーサンの音楽と同じ印象を僕に与えた。

 トゥーサンが生み出してきた名曲の数々は、人種や地域の枠を大きく越えたものだった。「イエス・ウィ・キャン・キャン」、「マザー・イン・ロウ」、「フォーチュン・テラー」、「リップスティック・トレイシス」、「サザン・ナイツ」…。あの夜ステージで歌われた曲は、どれも飾らないユーモアと人間としての気品に溢れていた。

 その後もトゥーサンはよく日本へやって来ては演奏した。僕も何回か足を運んだ。今年1月の公演は行かなかったので、2年前に観たのが最後となった。日本にいて、あのアラン・トゥーサンのライヴを何度も観れたなんて、今にしてみればちょっと信じられない気分にもなる。

 今はまだ相応しい言葉が見つからない。お疲れ様でしたと。ありがとうございましたと。あとは…なんだろう。今夜は日本公演の映像を観ようと思っている。なにか相応しい言葉をさがしながら、アラン・トゥーサンの偉大な音楽人生に感謝と敬意を捧げたい。
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by sandfish2007 | 2015-11-11 07:42 | diary | Comments(0)
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