ブログトップ

Sandfish Records Diary

sandfish.exblog.jp

70代

 僕の両親はふたりとも70代で、僕も40代半ばになった。まさかそんな日が来るなんて。まったく驚いてしまう。でも、僕らは今も生きていて、幸いにしてそういうことになった。そのすべてに感謝したい。こうした気持ちは30代ではわからなかったし、20代の頃は想像さえできていなかったかもしれない。

 先日、とある雑誌を手にする機会があり、ざっと目を通してみた。大分落ち着いた内容ではあったが、なかなか読み応えがあると思った。最後の方に読者の声を掲載したページがあったので見てみると、4人のうち3人が70代で、名前はすべて実名で記されていた。「ほぉー」と、僕はいろんな意味で思った(例えば、両親と同じ世代の人が読む雑誌を自分も面白いと感じたこととか)。

 その数日後の昨夜、たまたま聴いた3枚のCDが、すべて70代のアーティストであることに気づいた。ポール・マッカートニー『キッシズ・オン・ザ・ボトム』、ドニー・フリッツ『オー・マイ・グッドネス』、ボブ・ディラン『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』。みんな70代になってからの作品だ。自分がそういう年齢の人の歌を聴いていることに、やっぱり驚いてしまう。

 三者三様。歩んできた人生の違いが、音楽をその音楽たらしめ、際立たせ、違うものにしている。ポールは軽やかさを失っていないし、ディランは孤高でありつづけている。どちらの歌も、聴くことでしんどい現実を忘れさせてくれる。ドニーの歌は、もっと僕らの現実に近い。日常を忘れさせてはくれないが、わかってくれる。ただ、説得力があり過ぎて反論ができない。もう少し歳を重ねれば感じ方も違うのかもしれないけど、45歳の僕はただ黙って聴くしかない。それはつまり、僕が今のドニーの歌にリアリティーを感じている証拠でもあるのだ。

 3人の歌を聴きながら、僕は自分のこれからのことを考えた。僕はどう生きていきたいのだろう。選択肢はいろいろあるが、選べる道はひとつだ。それを見極めたい。

 何事もなければ、いつか僕も70代になるのだろう。今はまだ想像がつかないけど、できることなら、音楽に囲まれて、家族とこの家で暮らし、仲間達と笑っていられたらと願う。そのためにも日々を楽しもう。そして、受け取ったものをポジティヴなエネルギーに変えていこう。良き70代を迎えられるように。
[PR]
by sandfish2007 | 2015-11-23 08:19 | diary | Comments(0)
<< グライダー 音楽は愛だ >>