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Sandfish Records Diary

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新春SP

 昨夜は馴染みのバー「ケインズ」へ。「新春SP盤スペシャル」というイベントが行われていると聞いて、用事を済ませてから足を運んだ。

 SP盤とは1950年代後半まで主流だったアナログ・レコードのことで、SPとはスタンダード・プレイングの略。1分間に78回転する。ちなみに、EP盤(ドーナツ盤)はエクステンデット・プレイングの略で45回転。LP盤はロング・プレイングの略で33回転。「78−45=33」と昨夜司会を務めた友人が言っていて「ほぉー」と思った。偶然なのか必然なのかは、わからないけど。

 SP盤の音がいかに生々しく暴力的であるかは、聴く機会がある度にこのブログにも書いてきた(例えばこちら→「I Got the Blues (2013-01-20)」、「夏の夜のブルース (2015-07-19)」)。昨夜もまたそれらに引けを取らぬ、場合によっては、大きく上回るほどの音楽体験となった。

 レコードをかけただけで、みんなが驚きの声をあげ、目を見合わせて笑い出してしまう。そんな光景を想像できるだろうか?どんなに音をピーキーにしても自然さを失わない豊かで細やかな空気感、音のダイナミック・レンジの限界知らずな広さは、文字通りライヴ演奏に肉薄するものだ。乱暴な言い方になるが、利便性と商業性を追い求めた結果、レコードの回転スピードは遅くなり、音質は劣化し、偉大な録音技術は失われてしまったのだ。

 たまたま客として居合わせたレジェンド・ドラマーの上原ユカリ裕さんもSP盤の音にはびっくりしていた。「すごいねぇ。これからはSPの時代かもね」と目を丸くするも、「もっとすごいやつを作りたいよね。UP盤とかさ。ウルトラ・プレイング。108回転くらいのやつ」と言い出すあたりが、さすがレジェンドである。108回転か。煩悩も全部ぶっ飛びそうだ。

 夜が明け、朝になっても、昨夜の音が頭の中で鳴り止まない。さて、困った。どうやって日常を取り戻そう?それが今日の課題である。

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by sandfish2007 | 2016-01-11 10:05 | diary | Comments(0)
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