ブログトップ

Sandfish Records Diary

sandfish.exblog.jp

Valentine's Day

 嵐の日曜日、午前6時。外に出ると、南風が吹き荒れていた。春一番だろうか。この雲が流れ去れば、きれいな青空が見れるかもしれない。コーヒーを淹れて、ピザ・トーストをかじった。家の中にいる限りは、いつもの朝と変わらない。

 今日はバレンタインデー。妻は昨日の夜になってそのことに気づいたらしく、僕が「くれ」と手を差し出すと、「そうねぇ。じゃ、OKストアで買ってあげる」と言った。OKストアとは、僕が住む町にある激安スーパーのことである。彼女はつまらなそうな顔で「どうりでチョコレートのレシピが目につくと思ったのよね。もういい加減やめたらいいのに」と冷めたことを仰る。「そんなに嫌ならくれなくていいよ」と僕が言うと、「よし、わかった。それじゃ、いつもは買わないチョコを買ってあげるよ。柿チョコとアルフォート以外。OKストアで」とのこと。どうもありがとう。

 ブルース・スプリングスティーンの歌に「バレンタインズ・デイ」という曲がある。3拍子のワルツ調で、遠くにいる恋人(もしくは奥さん)のところへ車を運転して帰る男の心情が、詩的に綴られた美しい曲だ。ここで歌われているのは、愛する人を失うことへの恐怖である。

 もし死ぬ夢を見たならば
 ベッドでも本当に死んでいるものだと人は言う
 でも、ハニー、
 昨夜僕は自分の目が頭の中を転がる夢を見た
 そして、天の光が射し込んできた
 僕は怯え、息を荒げながら
 暗闇の中で目を覚ました
 そして、生まれ変わったような気がした
 僕の上を通り過ぎていったのは
 冷たい川の底ではなかった
 叶わなかった夢の苦さでもなかった
 僕の腕の間を吹き抜けていったのは
 灰色の荒野を渡る風でもなかった
 そうじゃないんだ、ベイビー、
 それは君だったんだ
 だから、どうか僕を抱き寄せ
 永遠に僕のものだと言ってほしい
 僕だけのバレンタインだと言ってほしい

 高校生のときにこの歌を聴いて、大人の恋は自分が知っている恋とは大分違うのだなと思った。そのことが僕を強く惹きつけた。いつか自分にもこんな気持ちになる日が来るのかもしれない。そんな予感めいたものがあった。

 外は春の嵐。今も南風が吹き荒れている。でも、この雲が流れ去れば、きれいな青空が見れるかもしれない。
[PR]
by sandfish2007 | 2016-02-14 08:11 | diary | Comments(0)
<< ハードロック 大菩薩峠 >>