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Sandfish Records Diary

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あるオーブンレンジの死

 僕は24歳で大学を卒業し、就職して社会人になった。最初の勤務先は埼玉県で、引越が必要だった。会社が引越代を出してくれた。あと、生活必需品を購入するための支度金(確か20万円)を貸してくれた。初任給からそれを分割で返済していったので、就職してから数ヶ月は生活が苦しかったのを覚えている。

 その支度金で購入したのは、14インチのブラウン管テレビ、一人暮らしサイズの冷蔵庫、一人暮らしサイズの洗濯機、小さなガスコンロ、3合炊きの炊飯器、オープンレンジ、その他諸々。支度金で足りない分は、両親が出してくれた。

 長い間、みんな本当によくがんばってくれた。しかし、時の流れには抗えず、それぞれが天寿をまっとうしていった。昨日はオーブンレンジが旅立った。電源は入るのだが、スタート・ボタンを押しても反応しなくなった。「もうこれ以上何も温めたくないんだ」。そんな声が聞こえた気がした。僕はうなずき、そっとコンセントを抜いた。今までありがとう。これで残るは炊飯器だけとなった。どうかいつまでも元気で。

 家電とはいえ、長年使ってきたので、それぞれに想い出がある。今朝はそんなことを思い出しながら、ジェリー・ジェフ・ウォーカーの『ドリフティン・ウェイ・オブ・ライフ』を聴いている。人生は流れていくもの。やって来ては去って行く。それは人も家電も変わらない。
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by sandfish2007 | 2016-02-19 07:25 | diary | Comments(0)
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