毎朝起きると、まずカーテンを開けて空を眺める。今日は薄曇り。コーヒーを淹れて穴蔵(仕事部屋)へ。かける音楽は、さっき見た空模様に左右されることが多い。今朝はスティーヴ・ミラー・バンド『ビンゴ!』。薄曇りの朝には、センスのいいブルース・ギターがよく似合う。
ブルースに興味をもったのは、ローリング・ストーンズのおかげだろうか。ビートルズを聴いてエルヴィスやチャック・ベリーに惹かれたのと同じように、ストーンズの影響でマディ・ウォーターズやジミー・リードのレコードを聴くようになった。
古いロックを聴くならば、ブルースを知っているかどうかは重要なことだった。というのも、ロックの中にブルースは随所で顔を出すので、そこをわかるようになると、音楽への理解は格段に深まった。
友人の中には、ブルースを聴くようになると、ロックを聴かなくなる者もいた。でも、僕はそれは少し違う気がしたので、ブルースをあまり特別視しないようにした。自分が今でもブルースを好きなのは、案外そうした距離感のおかげかもしれない。あのときロックを聴かなくなった友人は、今ではブルースも聴いていない。
大人になってからは、身近にすごくブルースに詳しい仲間が数名いるので、自分でレコードを買う必要がなくなった。聴きたいと言えば聴かせてくれるし、僕の知らない曲をたくさん教えてくれる。今はブルースを仲間と一緒に聴くことが多い。
今朝は薄曇りなので、スティーブ・ミラー・バンドを聴いているが、もし雨が降っていたら、もっとディープなブルースを選んだかもしれない。案外、天気に左右されるのだ。