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Sandfish Records Diary

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もしかしたらですけどね

 長く音楽を聴いていると、作品の評価というのは時代と共に変化するものなのだとわかる。名盤だったはずのものがそうでなくなったり、それまで見向きもされなかった作品が評価されたりする。また、一度は相手にされなくなった元名盤が何かをきっかけに再評価されることもある。変わるのは周囲の評価ばかりで、作品の内容が変わったわけじゃない。

 そうした変遷を眺めていると、結局、他人が言うことにたいした意味はなくて、自分がどう感じるかなのだなと思う。もちろん客観的な視点というのは音楽を聴く座標軸としてあった方がいいけれど、信じ過ぎない方がいい。特にもっともらしいことは多少疑ってかかるくらいがちょうどいいと思う。

 発売当時の状況や売上げ枚数は、時間がたつにつれその意味を風化させていく。よほど史実として残る価値があれば別かもしれないが、たいていの場合はそうだと思う。付加価値は削ぎ落されてゆき、最後には音楽が音楽としてだけ残る。こうした考え方は、僕がレーベル運営をする上での基本となっている。

 そんな風に思うのは、僕が好きな音楽の多くを後追いで聴いてきたからかもしれない。いつしか世間の評価と自分の感覚にズレがあることに気づき、それは時間がたつほどに明確化されていった。単に自分の好き嫌いとは別のところでも。

 さっきキャロル・キングの『タペストリー』を聴きながら、「これと同じくらいいいアルバムを、キャロルは何枚も作っているよな」と思った。正直、もっといいアルバムもあると思っている(好き嫌いとは別に)。今のところ、キャロル・キングの代表作と言えば、やはり『タペストリー』ということになるのだろう。でも、あと10年くらいしたら別の作品になっているかもしれない。まぁ、もしかしたらですけどね。
 
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by sandfish2007 | 2016-05-23 08:35 | diary | Comments(0)
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