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Sandfish Records Diary

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レオン・ラッセルに捧ぐ

 レオン・ラッセルの訃報に驚いている。ナッシュヴィルの自宅で眠ったまま目を覚ますことがなかったという。享年74歳。今は言葉が見つからない。

 レオンは、僕がアメリカ南部の音楽を聴く入口で出会った偉大なミュージシャンだった。小さく開いた扉の向こう側には、豊潤な音楽地図が広がっていて、たくさんの無頼で凄腕な男達・女達が集っていた。その中心にいたのがレオンだった。ぎょろりとした目の異様な風貌で、サイドマンのように振舞ってはいたが、彼が荒くれ者の集団を統率していたのは間違いなかった。美しい曲を書く人で、メロディーは都会の洗練も兼ね備えていた。それを強烈な声で歌い上げた。こんなに個性的な人がこの世にいるのかと思ったものだった。

 ライヴには何度か足を運んだ。安い席のチケットを買って2日つづけて観に行ったし、大人向けの会場で間近に観たこともあった。その頃には髪も髭も真っ白だったが、演奏が乗ってくるとサングラスをはずした。その瞬間が楽しみだった。

 レオン・ラッセルが僕に与えてくれたものとは何だったのだろう?その答えを見つけるのは容易くないけれど、少なくとも音楽が僕が思っている以上に深く、広がりがあるものだと信じるための手助けをしてくれた。遠く離れたアメリカのどこかでは、長い髪を風になびかせたミュージシャン達がその大地に相応しいスケールの大きな音楽を演奏している。そう想像することを僕に教えてくれた。それはレオンが残してくれた音楽と同じくらい豊かなことだった。

 昨夜からずっとレオン・ラッセルの歌を聴いている。眠るようにして逝ってしまったレオンに感謝を伝えるために。もう少し聴いていようと思う。
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by sandfish2007 | 2016-11-14 06:54 | diary | Comments(0)
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