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Sandfish Records Diary

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2017年 10月 18日 ( 1 )

ジャクソン・ブラウン@オーチャード・ホール(2017.10.17)

 1曲目はトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの「ザ・ウェイティング」だった。演奏が終わると「トム・ペティは素晴らしいソングライターだった。今夜のライヴは彼に捧げるよ」というMC。もうこれだけで来てよかったと思った。

 昨夜はジャクソン・ブラウンのライヴを観にオーチャード・ホールへ。席は2階席の2列目。僕より歳上の皆さんに囲まれて開演を待つ。ライヴは定刻より10分ほど遅れてスタートした。そこに、このまさかのオープニングである。

 ジャクソン・ブラウンの声はソウルだ。ソウル・ミュージックとは違うやり方で、たやすく心の奥に触れてくる。そして、魂が震えるのだ。ジェームス・テイラーやジャクソン・ブラウンがなぜ特別なのかと言えば、それは声が持つ力なのかもしれない。

 バンドの演奏は素晴らしいものだった。とりわけヴァル・マッカラムのギターには、トーンにもプレイにも言葉にならないほどの感銘を受けた。スティール・ギターのグレッグ・リーズとは多くの曲でソロの応酬がなされ、ジャクソンからの信頼も絶大なのがわかる。「ルッキング・イースト」をはじめ、何度も背筋がぞくぞくした。

 ジャクソンは69歳になった今も、その誠実な佇まいは変わらない。かつての若々しさとはまた違う思慮深さが伝わってくる。これまでに多くの仲間を失ってきた。ローウェル・ジョージ、ウォーレン・ジヴォン、グレン・フライ、ヴァレリー・カーター、トム・ペティ…。この夜、ジャクソンは亡き友人たちへの想いを観客と分かち合った。

 それはオープニングだけではない。自らドブロでスライドを弾いてみせた「ユア・ブライト・ベイビー・ブルース」、ジヴォンらしいロック・ナンバー「ロイヤーズ・ガンズ・アンド・マネー」、ヴァレリーとローウェルと一緒に作った「ラヴ・ニーズ・ア・ハート」、「この曲がラジオでかかると嬉しいんだ。グレン・フライと書いた曲だから」と言って歌われた「テイク・イット・イージー」。

 どの演奏からも、亡き友への親しみと、もう会えないことへのほのかな淋しさと、同じ時代を生きた喜びが伝わってきた。そこには年齢に相応しい重みがあった。

 こうしたスピリチュアルな面をより感動的なものにしたのが、ふたりの黒人女性コーラスだった。特に「ライヴズ・イン・ザ・バランス」では、リード・ヴォーカルをジャクソンと分け合い、このメッセージ性の強い曲に深い陰影と奥行きを与えていた。この夜に演奏された曲の中でも、とりわけ印象に残るものとなった。

 休憩をはさみ、客席からのリクエストにも応えながらの3時間弱。心にまっすぐ届く歌声、素晴らしいバンド、輝きを失わない名曲の数々、亡き友への想い。ライヴの間中、たくさんの感情が波のように打ち寄せ、僕はいろんなことを思い出した。それらの出来事は、どれもジャクソンの歌と直接結びついてはいないようで、きっとどこかで繋がっているのだろう。そんなことさえ嬉しく思えた。

   1.The Waiting
   2.Some Bridges
   3.The Long Way Around
   4.Rock Me on the Water
   5.Looking East
   6.Farther On
   7.These Days
   8.Just Say Yeah
   9.Your Bright Baby Blues
   <short break>
   10.Something Fine
   11.Lawyers Guns And Money
   12.Naked Ride Home
   13.Fountain Of Sorrow
   14.Lives In The Balance
   15.Call It A Loan
   16.Love Needs A Heart
   17.The Barricades of Heaven
   18.Pretender
   19.Doctor My Eyes
   20.Running on Empty
   <encore>
   21.Somebody's Baby
   22.Take It EasyTake It Easy

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by sandfish2007 | 2017-10-18 09:37 | diary | Comments(0)