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Sandfish Records Diary

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<   2011年 08月 ( 24 )   > この月の画像一覧

我慢の日

 清々しい朝。なんて気持ちがいいのだろう。今日で8月も終わり。ターンテーブルには『The Beach Boys Today』。季節が変わろうとしている。

 さて、今日は大学時代の友人の誕生日。友情に厚い僕は、毎年おめでとうメールを送っていた。しかし、今年のはじめ頃、「頼むから、もう送らないでくれ」と言われた。理由を訊ねると「気分がどんよりするんだよ」とのこと。これに関しては、思い当たることありありなので、仕方なく今年は送らないと約束した。

 そして、今日である。約束したとはいえ、20年近くつづけてきたことをやめるのはなかなか難しい。「あー、あいつにメールしたいなぁ。ズバッとしたこと書いてやるんだけどなぁ。ズバッとさぁ」とをつい考えてしまう。

 素朴な疑問:僕は性格がいいのだろうか?それとも悪いのだろうか?

 今日は我慢の日になりそうだ。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-08-31 08:44 | diary | Comments(0)

大切な場所

 昨日、生まれ育った家へ行ってきた。春に両親が引越したので、今は空き家になっている。売りに出しているが、まだ買い手がつかない。家具が置かれていない家はがらんとしていて、やけに広く感じた。そして、きれいに掃除をしてあるけれど、やはり古い家なのだなと思った。親父が新築だったこの家を購入して、もう34年がたつのだ。今も昔も、僕らの家が建っているのは、静かで、穏やかで、緑が多くて、懐かしくて、不便な場所だった。

 ここに戻ってくると、時間がとまったような気持ちなる。僕にはとっては、大切なことだ。

 日射しの強い1日だった。前日、友人達と遅くまで呑んでいたこともあり、僕は体調がもうひとつすぐれなかった。僕は割と呑めてしまう方なのだけど、翌日にしっかりお酒が残る。昨日も強い日射しの下を歩きながら、自分の愚かさを反省した。

 今もなんとなく疲れが残っている。やれやれ。今日はのんびりやろう。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-08-30 08:30 | diary | Comments(0)

Beautiful Sunday

 いい日和だな。久しぶりだな。風に揺れる洗濯物も気持ち良さそう。麦茶もうまい(一応、仕事中)。

 これからの予定。いつものボードウォークでごろごろ。茅ヶ崎のレコード・ライブラリー「ブランディン」でコーヒー。部屋で友達とザ・フーを聴きながらお酒を呑む。

 そんなところ。いい日曜日になりそうだぜ。ロックオン。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-08-28 11:06 | diary | Comments(2)

びっくりしたニュース

 夜中に目が覚めて、なんの気なしにツイッターを見たら気になるニュースを発見。すっかり目が覚めてしまった。以下抜粋。

「ジャスダック上場で放送事業を手掛ける「スペースシャワーネットワーク」は、音楽ソフト関連事業を営む子会社2社を解散および清算すると発表しました。
 対象となるのは、音楽ソフトの流通・販売を手掛ける「バウンディ」と、音楽ソフトの企画・制作を手掛ける「ブルース・インターアクションズ」の2社で、両子会社の事業をスペースシャワーネットワークが譲受した後、それぞれ9月28日に当該子会社にて解散を決議し、2012年3月末をめどに清算が結了する予定です。」

 ※ 後日注:バウンディのHPに2011/8/30付でプレス・リリースがアップされてました。「会社は解散しますが、事業は継続・強化します!」とのことです。

 えっと、最近の日記にも書いたけど、うちも9枚目までは「バウンディ」に流通を委託している。そこが解散するというのだ。さて、どうなるんだろう?バウンディとの流通契約はそのままスペース・シャワーに引き継がれるのかな?それにしても、9月に解散決議で、来年3月末をめどに清算予定かぁ。すぐじゃんね。あと、「ブルース・インターアクションズ」ってスペース・シャワーの傘下にいたんだな。ちょっとびっくりした。ここがなくなるのは寂しいな。

 先日のCDショップ「WAVE」の破産といい、なかなかひどい状態がつづいている音楽業界。こうしてニュースになるのはほんの一部で、水面下では悲惨な話があちこちから聞こえてくる。僕は数年前にこうした奔流から離れて、こじんまりとサンドフィッシュ・レコードをつづけることにした。しんどい時期もあったし、まだアルバイトもしてるけど、いい決断だったと思う。もし本当に音楽の仕事をつづけたいのなら、今は焦らずに自分の身の丈にあったことをするべきだろう。大切なのは音楽を愛する心だ。お金を優先しちゃいけない。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-08-27 07:01 | diary | Comments(5)

慣れないことをした日

 ひっそりと引越計画中ということで、昨日は手始めてに銀行へ。以前に手痛い思いをしたので、今回は別の銀行で相談。「えーと、うーんと、まぁどうなるかわからないですけども」と言いつつ、担当してくれたおじさんは親身になっていろいろ教えてくれた。手応えとしては「無理じゃないかもしれない」といったところか。それならばとその足で不動産屋さんへ。早速、近所の物件を見せてもらった。「この値段でこの広さはいいなぁ」と期待したのだが、実際に見てみると、前に住んでいた人の名残がたっぷりで、倉庫のような匂いもぷんぷんした。おそらく、ろくに掃除もせずに出ていったのだろう。「この状態での引き渡しになります」と言われて驚いた。中古マンションってそういうものなのか。ひとまず保留。今度はリフォームされてる部屋を見てみたい。賃貸もがっちり視野に入れつつ、ゆっくり考えていこう。

 慣れないことをして疲れたので、夜はスーパーのお弁当で済ますことにした。ツタヤでレンタルした『バウンド』という映画を観た。超オススメとあったので借りたんだけど、まぁまぁだったな。

 先日の中川五郎ライヴ@ケインズでタイコを叩いた永原元さんから電話があり、11月4日に行われる横浜のライヴに、僕もDJとして参加することになった。なんでも、フラワー・トラベリング・バンドやエイプリル・フールのメンバーだった人達と組んで即効演奏的な夜をやるんだとか。詳細が決まったらお知らせします。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-08-26 09:28 | diary | Comments(2)

The Barn

 雨が降ったりやんだりな空模様。午後は出かける予定なのだが、どうしたもんだろう。

 性懲りもなく引越を検討中。先を見越して買うか(買えればだが)、ひとまず借りるか。どちらにせよ、来年1月の更新料を払う前に決めたいなぁと、実に漠然とながら考えている。しかし、あれですね。こういうお金がかかることは、いつだって世知辛いっすね。たはは…(フェイドアウト)。

 昨夜、テレビで佐野元春のライブを観た。すっかり白髪まじりになり、声も細くなってはいたが、そのまなざしは生き抜いてきた者だけが持つ穏やかな熱を放っていた。気取った仕草は相変わらずで、僕はそれをくすくす笑いながらも、強靭なスピリッツにぐっときたのだった。ホーボー・キング・バンドとの演奏は、もはや阿吽の呼吸。緩急のつけ方が見事で、いいバンドだなと改めて思った。
 そんなこともあり、寝る前に『The Barn』をひっぱり出して聴いた。アルバム・タイトルは、レコーディングを行ったウッドストックのスタジオ名からつけられた。プロデュースはジョン・サイモンと佐野自身。ホーボー・キング・バンドと一緒に作った初期の1枚で、燻したようなサウンドが気に入っている。この時から14年の月日が流れたことになる。バンドはもっと良くなり、佐野はあのようなまなざしをするようになったのだなと、アルバムを聴きながら思った。ちょっと感動した。

 さてと、今は雨が降っていない。心なしか明るくなっているような気もする。出かけられそうだ。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-08-25 11:47 | diary | Comments(2)

北海道からの電話

 うーん、いい天気だ。先日読んだ文章を3日つづけてアップしたので、この日記をつけるのも久しぶりな気分。

 ジョン・リーゲン『レボリューション』を無事リリースできて、僕の生活もようやっと落ち着きを取り戻しつつある。また、2日ほど夏休みをとったことで、気持もだいぶ楽になった。しっかりと休むのも大事なんだな。

 音楽ライターの天辰保文氏が「北海道新聞」のコラムで『レボリューション』を紹介してくれたこともあってか、北海道からいくつか注文をもらった。直接電話をくれた方もいて、こういうのは嬉しいもの。ただ「どこに行っても在庫がなくて」と言われ、うぐぅ〜と唸ってしまった。確かに北海道だと札幌のタワーレコードから数枚イニシャル・オーダーをもらっただけだった。通販もアマゾン、HMV、タワーオンラインの主要3社すべて在庫なし。これじゃ欲しくても手に入らないなぁ。「あいやぁ、こじんまりとやってるもんで。うちには在庫ばっちりあるんで」と説明し、「Sandfish Records Shop」からオーダーしてもらった。もうちょっと直販を強くしないといけないな。お手数おかけしました。

 それでは、今日もいい1日でありますように。

 MIYAI
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by sandfish2007 | 2011-08-24 09:42 | diary | Comments(0)

スクール・デイズ その3

<Gary U.S. Bonds“SCHOOL IS IN”>

明日から学校が始まる。
夏休みなんてあっという間だ。
宿題はもちろん終わっていない。
そのことで、さっき親には小言を言われたばかりだ。
明日は、先生がなにか言ってくるだろう。
でも、そんなことは少しも気にならない。

空が薄暗くなりはじめた頃、
僕は自転車に乗って家を出た。
蓮池の横を抜け、夏草が茂った埃っぽい道をしばらく走ると、
赤茶けた小さな鳥居が見えてきた。
僕はそこに自転車を止め、鳥居をくぐって石段を登り、
一番上の段に腰をおろした。
蝉の鳴き声が僕を包み込んだ。
まだ夏なんだなと思うと、なんだか嬉しかった。

初めて彼女とふたりで出かけた日、
僕らはここで待ち合わせをした。
長い髪に淡いグリーンのワンピース。
思わず立ちすくんでしまうほど、
とてもよく似合っていた。
あの日、夕立に降られた後、
僕らは電車に乗り、この鳥居まで一緒に帰ってきた。
僕は家まで送ると言ったが、彼女はその申し出を断った。
悪いから。ひとりで大丈夫だから。
ほんとはまだ言いたいことがあったのだけど、
仕方がなく、僕はここで彼女と別れた。
曲がり角まで歩いてから振り返ると、
彼女はまだ同じ場所に立ったまま、
僕に手をふりつづけていた。

あの日も同じように蝉の鳴き声が聞こえ、
今と同じ風が吹いていた。
僕はすくっと立ち上がり、
彼女の家がある方向に目をこらした。
でも、当然のことながら、
そこに人影を見つけることはできなかった。
一体なぜ僕はここに来たのだろう?
彼女がいるはずもないのは、わかっているのに。
それなのに、僕はじっとしていられなくて、
自転車をこいで、ついここに来てしまったのだ。
僕は心の中に散らばった、
この愛だとも恋だともつかない気持ちをかき集め、
パズルのように組み立てようと試みた。
でも、そのために必要なピースは
まだ大分欠けているようだった。

夏草をちぎって噛んだ。
その苦みが、僕を少しだけ現実に引き戻した。
いつしか蝉の声は途絶え、風だけが静かに吹いていた。
太陽は山の端に沈み、
空はきれいな夕焼けに染まっていた。

明日になれば、彼女は制服を着て学校に来るだろう。
何事もなかったかのように。いつも通りに。
でも、僕は知っている。
夏の光の中、グリーンのワンピースを着て、
頬にかかった長い髪をはらうこともせずに、
僕を待っていてくれた彼女の姿を。
あれは嘘じゃなかった。幻なんかじゃなかった。
だから、僕はきっと間違っていない。
確信している。
この夏は、僕に特別なものをくれたのだ。

<The Beach Boys “ALL SUMMER LONG”>

(2011.8.20 "Voices Inside"「スクールデイズ:青春編・夏」@Bar Cane'sにて朗読)
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by sandfish2007 | 2011-08-23 08:25 | diary | Comments(0)

スクール・デイズ その2

<Graham Parker “BACK TO SCHOOLDAYS”>

夏の夕立はいつだって突然だ。
僕は入社2年目で、この日、営業まわりをしていた。
さっきまであんなに晴れていた空が急に暗転し、
雷の音が聞こえたかと思ったら、
激しい雨が降り出したのだ。

僕は二車線の道路を渡ろうとしていたところだった。
横断歩道のちょうど目の前に、
シャッターの閉まった古い商店があったので、
僕はそこの軒下に逃げ込んだ。
そして、濡れたシャツをハンカチで拭きながら、
しばらくの間、
薄闇に染まりだした空が、夏の雨に煙っていくのを、
ぼんやりとながめていた。

道路を渡ったちょうど真向かいに、
僕と同じように雨宿りをしている女の人の姿が見えた。
それが「彼女」であることに、僕はすぐに気がついた。
かつての長かった髪は短くカットされ、
細い体形はよりほっそりとしていたけれど、
立つときに右足を少し下げる姿勢と、顎をひく仕草は、
昔のままだったから。

中学3年の夏、僕は彼女に恋をしていた。
初めて二人で出かけたのは、8月のお盆を迎える少し前だった。
彼女は淡いグリーンのワンピースを着て、
待ち合わせの場所に立っていた。
それまで制服姿しか見たことがなかったから、
やけにどきどきしたのを覚えている。
確か、僕らは電車に乗って、
港が見える公園まで出かけたのだ。
よく晴れた日で、暑くて、街はまぶしい光で溢れていた。
僕らは夏の強い日射しを浴びながら、
ただただ歩きつづけた。
歩きながら、学校でのこと、進路のこと、
共通の友達のこと、好きな音楽のこと等を話した。
でも、会話はどうしても途切れがちになり、
その都度、沈黙が訪れてしまうのだ。
僕らふたりの間には、こぶしひとつくらいの隙間があいていて、
そこを夏の風が通り抜けていった。
お腹はほとんど空かなかったから、
大きな中華マンをひとつ買って、ふたりで分けて食べた。
夕立にあったのは、そんなときだった。

突然の激しい雨だった。
少し先にレンガ造りの倉庫が見えたので、
僕らはその軒下へ走った。
彼女は、まだ食べかけ中華マンを手に持っていたはずだが、
途中で落としてしまったようだった。
遠くで雷の鳴る音がし、
地面を打つ雨音は、さらに激しさを増していた。
気がつくと、僕らはぴったりと体を寄せ合って立っていた。
濡れたシャツ越しに、彼女の体温がはっきりと伝わってきた。
彼女はいつものように右足を少し後ろに下げて立ち、
顎をひいたまま、じっと黙っていた。
僕はなにか話しかけようとしたけれど、
なにをどう話したらいいのかわからないまま、
彼女の肩から伝わってくる温もりを、
夕立があがるまで、感じていた。

あれから10年がたち、今また夕立が降っている。
そして、道の向こうでは彼女が立っている。
彼女が僕に気づいているかどうかは、
この距離だと、はっきりとはわからなかった。
こちらを見ているようにも思えたが、
定かではない。
雨がやむまでに、信号は青に変わり、また赤になった。
そんなことを何度か繰り返した後、
唐突に雨は上がり、夕立の後の涼しげな風が吹き始めた。

車の往来が止まり、歩行者用の信号が青に変わった。
僕は、ゆっくりと横断歩道を渡り始めた。
向こうからは、彼女が歩いてくるのが見えた。
彼女も僕のことを見ているのが、はっきりとわかった。
僕らの距離は少しづつ縮まっていった。
そして、手が届くくらいになったとき、
僕らは、何も言わずにすれ違った。

なにか話しかけようとはした。
でも、僕はなにをどう話しかけたらいいのかわからなかった。
よく晴れた日の突然の夕立。
雨上がりのきらきらと輝く横断歩道。
なんだか、すべてが10年前のあの日のようだった。

<The Kinks “SCHOOLDAYS”>

(2011.8.20 "Voices Inside"「スクールデイズ:青春編・夏」@Bar Cane'sにて朗読)
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by sandfish2007 | 2011-08-22 10:27 | diary | Comments(5)

スクール・デイズ その1

<Ramones “DO YOU REMEMBER ROCK’N’ROLL RADIO?”>

定期テストが終わり、数日後には答案を返された。
言うまでもなく、結果はぱっとしなかったが、
別に気にならなかった。
中学3年ということもあり、親や先生はぶつぶつと僕に小言を言った。
でも、そんなものはすべて、
右から左へと流れていくだけだ。
なぜって、僕はこの日を指折り数えて待っていたのだから。

今日は、1学期最後の日。
数日前に、長かった梅雨が終わり、
天気予報の欄には、晴れのマークがずらりと並んだ。
太陽はまるで殺人者のようだ。
鋭利なナイフみたいに光り、
僕らを容赦なく照りつけ、じりじりと地面を焦がし、
肌を黒く塗りつぶしていく。
今、僕らは解き放たれようとしている。
誰もが解放されるのを待っている。
そんな季節が、今年もまたやって来たのだ。

ラジオのパーソナリティーが、1日中陽気な音楽を流す。
曲を紹介する口ぶりも、なんだか楽しげだ。
ラモーンズやビーチ・ボーイズ、
そして、僕の大好きな、
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズも。
僕はラジオのロックン・ロール番組にかじりつく。
お気に入りは、レディオ・ケインズの「VOICES INSIDE」だ。
頭の中はロックン・ロールのことでいっぱいだ。
もしこの世界に、ロックン・ロールよりも意味のあるものが存在するならば、
教えてほしいものだ。
そう、僕は今、恋をしている。
ロックン・ロールと、ひとりの女の子に恋をしている。

学校からの帰り道、僕らはいつになくはしゃいだ。
話題の中心は、8月にある野外コンサートのことだった。
僕らはお金を持っていないから、会場の中には入れない。
だったら、外の駐車場に陣取って、
漏れ聞こえてくる音楽を楽しもう。
そして、どこの誰よりも盛り上がってやろう。
もし楽しくてしょうがなくなったら、
そのまま野宿でもすればいい。
そんなことを仲間と話していると、
僕らはもう叫びだしたくなるのだ。

道ばたには夏草が茂り、その湿った香りが鼻孔を刺激した。
無造作に1枚ちぎって噛んでみると、苦い味がした。
少年のような、大人なような、そんな味がした。

ふいに仲間のひとりが僕をつついた。
顔を上げると、20メートル先を3人の女の子達が歩いていた。
僕はすぐに一番右端にいる子に目を奪われた。
彼女こそ、僕が恋をしている女の子だった。
シャツの袖をまくり、
スカートは少し短めに折り込まれている。
長い髪は丁寧にまとめられ、
白いうなじが覗いていた。
うっすらとにじんだ汗が、ほんの一瞬、
太陽の光できらきらと光ったように見えたから、
僕はまるで魔法にでもかかったような気分だった。

仲間のひとりが僕の背中を強く押した。
それは無言の合図だった。
僕はそのまま彼女に向かって走り出した。
鞄が肩からずれて落ちそうになりながら。
熱風がシャツの胸元やわきの下から入ってきた。
彼女の背中がぐんぐんと近づいてくる。
胸の鼓動が大きく音をたてた。
僕は彼女の肩に、そっと手を触れた。

太陽は燦々と輝き、
白い雲が自由に空を飛び交っている。
今、誰もが解放されるのを待っている。
僕も。そして、きっと彼女も。
だから、答えはひとつに決まってる。
目一杯楽しもうじゃないか。
パーティーはこれからなんだから。

<Connie Francis “VACATION”>

(2011.8.20 "Voices Inside"「スクールデイズ:青春編・夏」@Bar Cane'sにて朗読)
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by sandfish2007 | 2011-08-21 10:57 | diary | Comments(2)