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Sandfish Records Diary

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レストレス・ナイト

 花粉の薬がほしくて耳鼻科に電話すると、予約でいっぱいだから月曜日に来るようにと言われた。「みんなも大変そうだな」とひとり納得し、カップにコーヒーのおかわりを注いで、カーラ・ボノフの『レストレス・ナイト』をターンテーブルにのせた。午前8時30分の光が部屋を照らし、全体的に穏やかな雰囲気の朝である。

 昨夜は日本酒を少し飲み過ぎたのか、目を覚ますとほのかな気怠さが残っていた。鍋の残り汁でおじやを作り、熱いお茶を飲んだ。それからコーヒーを淹れて、今は少しづつ調子を整えているところ。こういうとき、カーラの控えめな歌が聴きたくなる。

 『レストレス・ナイト』は、1979年の作品。ウエスト・コーストらしい明快なサウンドと、彼女らしいスロー・ナンバーがバランス良く収録されている。明るい歌にも押し付けがましいところがないので、弱り気味の朝にも大変よろしい。逆に調子がいいときは、そんなに聴きたいと思わない。もっと刺激のある音がほしくなる。でも、弱ってくるとまた手を伸ばす。そういうのって、なんだか優しさにすがってるみたいで、「甘ったれだなぁ」と思わないでもない。

 それにしてもいい曲ばかりだ。心が安らぎ、ちょっと元気になる。そして、ラストには「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」の秀逸なヴァージョンが待っている。こんな風に歌われたら、つい甘えてしまうのも、まぁ、しょうがないのだ。
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by sandfish2007 | 2016-02-27 09:14 | diary | Comments(0)

ふさわしくない季節

 昨日は1歩も外へ出なかったのに、夜になって鼻が本格的に詰まった。両方の穴が完全に塞がり、言葉を発することもできない。今朝は片方の鼻が詰まっている状態だが、半分は息ができるので、少しほっとしている。それにしても、昨日は苦しかった。数日前は、コンタクト・レンズを入れてられなくなり、眼鏡をかけるようになった。花粉の季節が終わるまで、できるだけ人と会う約束は控えようと思う。

 先日、アルバイトでプチ人事異動があった。ずっと「ペーペー」だったのを、どういうわけか「ペー」にしてくれるらしい。具体的に言うと、仕事内容はやっかいになるが、時給ベースがほんのり上がり、手当がつくという。「もしフルタイムで働く気があれば、もっと条件はよくなるけど」と上司に言われたので、「いいえ。お気遣いなく」と答えた。「何か気になることはありますか?」と言うので、「スーツを着たくありません。あと、朝礼に出たくありません」と答えると、「ちょっと確認してきます」と席を立ち、すぐに戻ってきて「大丈夫だそうです」と言った。というわけで、交渉成立。「それでは、来月から」ということになった。

 そんな矢先に、昨夜の本格的な鼻づまりである。わかる人にはわかると思うが、あのレベルで症状が発生すると、新しいことを覚えるどころか、ルーティーンをこなすのもままならない。春は何かを始めるのにふさわしくない季節だと思う。
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by sandfish2007 | 2016-02-26 07:25 | diary | Comments(0)

Happy Birthday, George !

 今日は敬愛するジョージ・ハリスンの誕生日。今から73年前にイングランド北西部のマージーサイド州リヴァプールで生まれた。昨日のブログを書きながら、「ジョージの誕生日が2月24日なのか、それとも25日なのかについては、諸説あってね…」と妻に言うと、「そんな歴史上の人物なの?」と驚いていた。ええ、そうですよ。73年も前のことだからね。1943年生まれなので、戦時中の子供ということになる。

 僕はその27年後に日本で生まれた。ジョージとの共通点といえば、せいぜい「島国生まれ」といったくらいか。その頃のジョージはというと、ビートルズ解散を目前に控えていた。そして、この年の晩秋にソロ・キャリアの代表作となる3枚組の傑作『オール・シングス・マスト・パス』をリリース。これが世界的な大ヒットとなり、ジョージ・ハリスンの音楽的才能が大きく花開いたことを、世界中の音楽ファンに知らしめることとなった。
 
 つまり、ジョージの快進撃は僕が生まれたのと同時期に始まったわけで、言い換えれば、僕はジョージの快進撃と共に誕生したということになる。どうですか。うらやましいでしょう。

 昨日からジョージのレコードを取っ替え引っ替えしながら聴いている。元来、ジョージのことになると、いささか冷静さを失いがちではあるが、今日は誕生日。たまにはいいでしょう。ジョージ、心からハッピー・バースデイ。あなたの音楽を知ることができて、本当によかった。
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by sandfish2007 | 2016-02-25 08:39 | diary | Comments(0)

ゴーン・トロッポ

 ジョージ・ハリスンの誕生日は、2月24日なのか。それとも25日なのか。答えは「どちらでもいい」…が正解になるのだろうか。戸籍上は25日。でも、1992年にジョージ自身が「俺、24日には生まれてたんだよね」と発言し、世界中のファンはこんがらがってしまった。僕としては「ジョージ本人が24日だと言っているのだし」と、この発言を知って以来、2月24日にお祝いをしてきた。ところが、どうもオフィシャルでは25日になっているみたいだし、ジョージ自身も長年25日に誕生日を祝ってきたそうなので、今年からは僕も25日にお祝いすることにした。ファンというのも、細かいところでいろいろ大変なのだ。

 でも、頭がこんがらがっているもので、気づけばジョージのレコードをターンテーブルへ。『ゴーン・トロッポ』。僕がファンになって最初に出た新譜がこれだった。ジャケは夏全開のトロピカル・ムードだけど、発売された頃には夏はとっくに終わっていた。当時、ジョージはオーストラリアで多くの時間を過ごしており、向こうでは夏だった…ということなのかもしれない。また、ジョージの音楽業界に対する不信感がピークに達していた時期で、まったくプロモーションをしなかったら、まったく売れなかった。ビルボードでは100位圏内にも入らなかった。近所のレコード屋さんではずっとディスプレイされていたけど、後になって「これ1枚も売れなかったんだぜ」と言われ、軽いショックを受けたものである。いいアルバムなんだけどな。もったいないな。

 というわけで、明日もジョージの誕生日をお祝いしようと思います。
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by sandfish2007 | 2016-02-24 07:17 | diary | Comments(0)

鎌倉今昔物語

 昨日は久しぶりに鎌倉へ。役所の地下で開催されている無料の写真展を見に行ったのだが、これが思っていたよりもずっと充実した内容だった。僕が生まれた頃と現在の鎌倉の風景が並べて展示してあり、見比べることができるようになっていた。まず驚いたのは、自分の生まれた頃というのが、もはや「昔」なのだなということ。当時の鎌倉は、多くの小道や脇道がまだ未舗装で、茅葺き屋根の家もたくさん残っていた。同時に、宅地造成がいよいよ本格化し、駅から離れた場所にまで及び始めていた。言うまでもなく、昔の方が風光明媚で、僕らが利便性を得る代わりにたくさんのもの失ってきたことを物語っていた。その恩恵を受けている自分が言うのは心苦しいのだが、もう少し景観を残す努力はすべきだったのではないかと思ってしまう。戦後の急速な経済成長が、それまでの生活や風景をないがしろにしてしまったのだろうか。これからの未来を考えるにあたり、この展示から学ぶことは多かった。

 心の隅をしみじみさせながら、ラーメンを食べて、一旦帰宅してから、自転車に乗ってスーパー銭湯へ。それから馴染みの居酒屋さんへ。ほろ酔いで家に着いたときは、まだ午後7時過ぎだった。家事をして、仕事をして、テレビを観ながら、もう戻らない風景のことをぼんやりと考えていた。
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by sandfish2007 | 2016-02-23 07:32 | diary | Comments(0)

断水とゲイブリエル・マン

 今日はマンションが夕方まで断水するというので、家にいては何かと不便だし、外へ出かけることにした。先日、確定申告を作成しながら、交通費の支出がものすごく少ないことに改めて気づいた。仕事でこれだから、プライベートは言わずもがな。つくづくこの町を出ないのだ。でも、今日は隣りの市まで写真展を見に行こうと思っている。バスに乗るか。それとも徒歩か。

 先月より音楽総合サイト「Veemob」にて、月イチの連載を開始した。毎月うちのCDを1枚づつ紹介していくという、ささやかなものだ。前回はエリカ・ギンペル『翼を広げて』について書いたのだけど(こちら→link)、今月はゲイブリエル・マン『トール・ビルディングス』を紹介しようと思っている。久しぶりに聴き返したけど、お世辞抜きでいいアルバムだと思えたのが嬉しかった。自分がいいと思ったものを出していくのは、ちっぽけなインディーズに課せられた数少ない使命のひとつだ。『トール・ビルディングス』、合格。※記事はアップされ次第お知らせします。

 キッチンのBGMは、リンダ・ルイスから(オーバーオールなジャケの)ミニー・リパートンに変わった。さて、そろそろ断水が始まる。僕は着替えて出かけよう。
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http://sandfishrecords.shop-pro.jp/?pid=10706259
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by sandfish2007 | 2016-02-22 09:09 | diary | Comments(0)

シーズン・インとオーバーオール

 昨日は貴重な時間を無為に過ごしてしまったので、今日は部屋に籠って仕事をしようと決めていた。ところが、あんまり天気がいいもので、散歩がてらスーパーまで買い物に出てみると、目がとても痒くなった。帰ってソファーに寝転んで、痒みがおさまるまでじっと目を閉じていたら、今度は眠くなった。

 というわけで、今年もシーズン・イン。花粉の季節がやってきた。しばらくは、無理せずのんびりいくとしよう。

 散歩へ出るにあたり、久しぶりにオーバーオールを着たところ、妻は僕を見るや爆笑につぐ爆笑。その後、彼女のテンションは急降下。口数が減り、なかなか目を合わせてくれなくなった。いくら僕がローウェル・ジョージのつもりだとしても、リトル・フィートのファンでもない妻にそんな説明をしたところで徒労に終わるだけだろう。そもそも僕は少しもおかしいと思っていないのだが、「まぁ、感じ方って人それぞれよね」と素っ気ない。そういう言い方をされたら身も蓋もないと思うし、オーバーオールくらいでそんなに笑われるのも不条理な気もするのだが、ここまでくるともはや打つ手なし。ひとまず、オーバーオールが僕ら夫婦の間にあまり好ましい感情を生まないことがわかっただけでも、よかったよかった。

 以上、今日気づいたふたつのこと。シーズン・インとオーバーオール、でした。
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by sandfish2007 | 2016-02-21 16:12 | diary | Comments(0)

偉大な人生もいろいろ

 昨夜はアルバイトから帰宅してジョニー・キャッシュを聴き、呑み屋から帰宅してレナード・コーエンを聴いた。ジョニーは1932年生まれで、2003年に71歳で亡くなっている。レナードは1934年生まれで、現在81歳にして現役続行中。

 2人とも魅力的なバリトン・ヴォイスの持ち主で、訴えかけてくる情感は異なるが、歌声がもつ凄みには共通するものがある。どちらも深い闇をたたえた異端者の声だ。こういう歌を聴いてしまうと、なかなか抜け出せなくて困る。その闇が深いゆえに、光もまた眩い。何かに絡みとられたみたいに身動きがとれなくなるのだ。それで今朝になってもまだ困っている。

 それにしても、なんと示唆に富んだ音楽なのだろう。

 空は雲で覆われ、先ほどから細かい雨が降り出した。薄暗い部屋では、ジョニー・キャッシュの「マン・イン・ブラック」が、レナード・コーエンの「ダンス・ミー・トゥ・ジ・エンド・オブ・ラブ」が流れている。

 「えーい、やめやめ」とCDを止め、エルヴィス・プレスリーにチェンジ。「ブルー・スウェード・シューズ」。一気に部屋の空気が変わった。まるで太陽が燦々と輝いているかのよう。どうやら1日の始まりにはこちらの方がいいみたいだ。そんなエルヴィスは1935年生まれ。ジョニーやレナードと同世代だが、1977年に42歳で亡くなっている。偉大な人生もいろいろだ。
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by sandfish2007 | 2016-02-20 10:53 | diary | Comments(0)

あるオーブンレンジの死

 僕は24歳で大学を卒業し、就職して社会人になった。最初の勤務先は埼玉県で、引越が必要だった。会社が引越代を出してくれた。あと、生活必需品を購入するための支度金(確か20万円)を貸してくれた。初任給からそれを分割で返済していったので、就職してから数ヶ月は生活が苦しかったのを覚えている。

 その支度金で購入したのは、14インチのブラウン管テレビ、一人暮らしサイズの冷蔵庫、一人暮らしサイズの洗濯機、小さなガスコンロ、3合炊きの炊飯器、オープンレンジ、その他諸々。支度金で足りない分は、両親が出してくれた。

 長い間、みんな本当によくがんばってくれた。しかし、時の流れには抗えず、それぞれが天寿をまっとうしていった。昨日はオーブンレンジが旅立った。電源は入るのだが、スタート・ボタンを押しても反応しなくなった。「もうこれ以上何も温めたくないんだ」。そんな声が聞こえた気がした。僕はうなずき、そっとコンセントを抜いた。今までありがとう。これで残るは炊飯器だけとなった。どうかいつまでも元気で。

 家電とはいえ、長年使ってきたので、それぞれに想い出がある。今朝はそんなことを思い出しながら、ジェリー・ジェフ・ウォーカーの『ドリフティン・ウェイ・オブ・ライフ』を聴いている。人生は流れていくもの。やって来ては去って行く。それは人も家電も変わらない。
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by sandfish2007 | 2016-02-19 07:25 | diary | Comments(0)

賢者の石

 ヴァン・モリソンは大好きなアーティストで、レコードをせっせと集めては熱心に聴いてきた。今でも折に触れ引っぱり出す。今朝は『ザ・フィロソファーズ・ストーン』。世に未発表曲や未発表テイクを集めた作品は数あれど、これほどのものはそうないだろう。1曲づつ聴き進めるたび、「これの一体どこがボツなんだ?」という疑問符が、壊れたパソコンの画面のように連打される。

 ヴァン・モリソンほど、キャリアに渡って全盛期や充実期が長い人を、僕はすぐには思いつかない。今はさしづめ安定期といったところだろうか。とにかく、それらしい駄作が見当たらない。どのアルバムも楽しめるし、中には聴くたびに魂が震え、叫び声を上げずにはいられない傑作が何枚もあるのだから、まったく恐れ入ってしまう。そんな作品群においても、この『ザ・フィロソファーズ・ストーン』は上位に位置づけられてもおかしくないほどの内容を誇る。アウトテイクス集が…である。約20年という長い期間の録音を集めたものであるにも関わらず、不思議と統一感があり、ヴァン・モリソンならではの雄大な音楽の息吹が伝わってくる。

 例えば、「ザ・ストリート・オンリー・ニュー・ユア・ネーム」。サウンドも歌詞も実にヴァン・モリソンらしいこの曲は1975年の録音。8年後にアルバム『イナーティキュレイト・スピーチ・オブ・ザ・ハート』で別ヴァージョンが発表されることになるのだが、「このヴァージョンの一体なにが気に入らなかったのだろう?」と、そんな疑問符で頭の中がいっぱいになる。どうしたってなるのだ。

 『ザ・フィロソファーズ・ストーン』が発売されてから18年がたち、いつしか僕はこのアルバムをアウトテイクス集だと思って聴かなくなった。そういうエクスキューズはきれいさっぱり消えてしまった。これはこれだ。これこそヴァン・モリソンだ。どこまでも広がる大地の下をこんこんと流れる地下水のような、悠久の時を告げるような歌声に、ただ耳を傾けるだけでいいのだ。
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by sandfish2007 | 2016-02-18 08:03 | diary | Comments(0)