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Sandfish Records Diary

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秋の深まりとランディ・ニューマン

 秋の深まり。朝のコーヒーは温もり。選ぶ音楽はランディ・ニューマン。秋が深まりつつある証拠。

 先日、自身の曲をセルフ・カヴァーしたシリーズ『ソング・ブック』の第3集をリリースしたばかりのランディ・ニューマン。第1集を買いそびれ、第2集を買いそびれている身としては、果たして第3集から買うのが正しいのかどうか。ふぅむ…。

 ランディはロマンティックな道化師だ。コメディアンの微笑みの裏に隠された哀しみみたいなものが、ランディの歌にはある。真面目であるゆえに、その真面目さが恥ずかしくて、ふざけてしまう。臆病だから不遜に振る舞ってしまう。庶民への共感と憐れみ。裕福な自分。パラドックス。

 『ハープス&エンジェルス』は、純粋なオリジナル・アルバムとしては今のところ最新作。ランディ・ニューマンに駄作なしと言われるが、ランディなりに多少の波はある。これは最高傑作ではないけれど、曲調がバラエティに富んでいて楽しい。ラストの「フィールズ・ライク・ホーム」は、エドウィナ・ヘイズがカヴァーし、彼女の代表曲になったが、オリジナルはこちら。

 秋が深まるとランディ・ニューマンを聴きたくなるのか。それともランディ・ニューマンを聴くと秋だなと思うのか。どちらかはわからないし、どちらでもいいことでもある。ただ、10月の朝にランディの歌を聴きながら飲むコーヒーは、いつもより温かい。
 
# by sandfish2007 | 2016-10-13 07:16 | diary | Comments(0)

勝利のトンカツ

 プロ野球に酔った1日だった。4時間30分の総力戦。球場全体が興奮の坩堝と化す中で、最後はストライクひとつ取るごとにガッツ・ポーズをしていた。そして、勝利…。精根尽き果てたが、心はやけに清々しい。明日からはもっと大事な試合がつづくというのに、こんなにやり切った感があっていいのだろうか?とりあえず、馴染みの店でトンカツを食べて帰ってきた。僕らにできることなんて、せいぜいこれくらい。でも、できることはやっておきたい。

 これにて横浜DeNAベイスターズはクライマックス・シリーズのファイナル・ステージへ進出。セ・リーグ王者の広島と対戦する。今シーズンの成績は19.5ゲーム差とお話にならない結果だったけど、直接対決に限っていえば12勝13敗とほぼ五分。つまり、勝負はやってみないとわからないのだ。そして、僕にできることはといえば、トンカツを食べることくらいしかない。トンカツは美味い。
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# by sandfish2007 | 2016-10-11 07:10 | diary | Comments(0)

下巻

 昨日、10月9日は、ジョン・レノンの誕生日である他に、ジョン・エントウィッスル(1944年生まれ)、ジャクソン・ブラウン(1948年生まれ)、仲井戸麗市(1950年生まれ)…などの愛すべき人達も誕生日だった。そして、僭越ながら我がサンドフィッシュ・レコードも9周年でございました。青息吐息ながら9年間つづけてこれたのも、ひとえに皆様のおかげです。どうもありがとうございます。

 うちの周年など誰も覚えてないと思っていたら、一昨日の夜遅く、日付けが変わってから帰宅すると、パジャマの上にブルース・スプリングスティーンの自伝『ボーン・トゥ・ラン』の下巻が、ペンギンのカードを添えて置かれていた。僕は2メートルくらい飛び上がり、もつべきものは家族だなと思った。

 というわけで、いつまで続けられるかわかりませんが、もうひとがんばりしますので、ひきつづき応援よろしくお願いします。

 さて、応援といえば、昨日は横浜スタジアムへ横浜DeNAベイスターズの応援に行ってきた。試合は東京ドームで行われたのだけど、横浜スタジアムでは球場の外にモニターが設置され、たくさんのファンが集まっていた。義姉が雨の中場所取りをしてくれた。しかし、試合は惜敗。というわけで、今日は東京ドームへ応援に行ってきます。
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# by sandfish2007 | 2016-10-10 08:35 | diary | Comments(0)

Happy Birthday, John !

 今日は敬愛するジョン・レノンの誕生日。心からおめでとうございます。もし生きていたら76歳。どんなお爺ちゃんになっていたのだろう。

 昨夜は、馴染みの店でビートルズのシングル盤をたくさん聴いた。初期から中期はA面にジョンがメイン・ヴォーカルをとっている曲が多く、実力も他の3人より上だったこともあり、ビートルズはジョン・レノンのグループだったという印象を受ける。ところが、後期になるとポールのヴォーカル曲がつづくようになる。他の3人が力をつけ、とりわけポールが想像以上に才能を爆発させた結果、ビートルズはジョンとポールの双頭バンドという様相を呈していく。シングル盤のA面B面をすべて時代順で聴いていくと、その変遷がよくわかった。

 当時のジョンの立場になって考えてみよう。「アイ・アム・ザ・ウォルラス」みたいな凄い曲を書いても、ポールの「ハロー・グッドバイ」にA面を取られてB面に。時代へのメッセージとして意気込んで書いた「レボリューション」も、A面はポールの「ヘイ・ジュード」でやっぱりB面に。切実な歌声が感動的な「ドント・レット・ミー・ダウン」も、ポールのルーツ回帰ナンバー「ゲット・バック」に押さえられB面。「カム・トゥゲザー」にいたっては、とうとうジョージの「サムシング」にまでA面を譲ることとなった。ジョンの曲が最後にA面になったのは、いろんな意味で軽量級な「バラード・オブ・ジョン・アンド・ヨーコ」というのもなんだか象徴的で、エースが中継ぎにまわったように思えなくもない。バンド内の力関係の変化というのは、なかなか微妙だ。

 ただ、これはジョンの中でポップであることへの興味が薄れたからとも言える。そうなると、なかなかシングル向きの曲を書くというわけにもいかなかったのだろう。最後にジョンの曲がシングルの両面に収められたのは、「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」と「ベイビー・ユーアー・リッチマン」のカップリグ盤だった。昨夜、店のマスターが「愛の裏は金なんですね」と言っていて、なるほどなと思った。こういうシニカルなバランス感覚はジョン・レノンの大きな魅力だし、そういうことをシングル盤でさらりとやってしまうあたりが実にビートルズである。

 すべてのシングル盤を聴き終えた頃、日付が変わり、ジョンの誕生日を迎えた。イベントのアフターとして、ビートルズがカバーした曲をオリジナル・ヴァージョンと聴き比べた。必然的に初期のレコードばかり、それもジョンのヴォーカルばかりになった。改めてビートルズはジョン・レノンのグループだったんだと思った。そして、ドス黒いシャウトからジョンのリズム&ブルースへの敬愛が感じられ、僕は少しほろりとしたのだった。
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# by sandfish2007 | 2016-10-09 09:59 | diary | Comments(0)

初めてのエレキ・ギター

 ブルース・スプリングスティーンの自伝『ボーン・トゥ・ラン』が、すごく面白い。まだ上巻を1/3ほど読んだところで、アマチュア・バンドを始めた頃のことが語られている。ブルースが初めて買ったエレキ・ギターはケントという日本のメーカーのものだったそうだ。ブルースはそのギターを、父親に買ってもらった小さなビリヤード台を売り、足りない分は母親が借金をしてくれたことで手に入れている。いつの時代もエレキ・ギターを手に入れるというのは、特別に胸がときめくことなのだ。

 僕は自分が初めて買ったエレキ・ギターのことを思い出した。今から34年前、お茶の水の谷口楽器で購入したエピフォン・カジノ。選んだ理由は、ビートルズのメンバー3人が所有し、日本公演でも使われ、特にジョンとポールは長い間メイン・ギターとして使用していたのを知ったからだった。そんな由緒正しいギターが日本製だと5万5千円で買えた。そして、当時の僕の銀行口座の預金額はちょうど5万5千円だった。谷口楽器へは、バスと電車を乗り継ぎ、親父と兄貴と一緒に出かけた。そのギターは店を少し奥に入ったところに飾られていた。写真の中でビートルズが持っていたギターと同じものが目に前にあること、このギターがこれから自分のものになろうとしていることに、どきどきした。身分不相応だという不安も入り交じっていたけど、嬉しくて仕方がなかった。

 そのギターは今も手元にある。あまりコンディションが良いとは言えず、ケースに仕舞われたままだが、大切なギターだ。いつか余裕ができたら腕のいいギター職人に修理を頼もうと思いながら、まだ実現していない。

 今夜は馴染みの店「バー・ケインズ」で行われるビートルズのイギリス盤シングルのA面とB面を順番に聴いていこうというイベントに参加する予定。レコードはすべてUKオリジナル盤で、しかもそれをヴィンテージ・モノ針でかけてくれるというのだから(後期の何枚かはステレオだけど)、僕は何ヶ月も前からこのイベントを楽しみにしていた。だって、オリジナル盤をまとめて聴ける機会なんて、なかなかありませんからね。20時きっかりにスタートの予定。興味ある方は、藤沢駅北口から徒歩5分ほどの「バー・ケインズ」まで。
 
# by sandfish2007 | 2016-10-08 07:38 | diary | Comments(0)