今朝はアル・グリーンの『Let's Stay Together』を聴きながら、抜けるような青空を見上げた。ディープでありながら都会的でもあるサウンド。僕らはそれがハイ・サウンドと呼ばれていることを、知っている。
昨夜、馴染みの音楽バー「サウサリート」でワインを飲んでいると、友人からウィリー・ミッチェルの訃報が届いた。僕はウィリー・ミッチェルが誰なのか、すぐには思い出せなかった。メールにはハイ・サウンドの立役者だと書かれていた。しばらくして、ウィリーがハイ・レコードのプロデューサーであることを思い出した。あの素晴らしきハイ・サウンドのだ。そしたら、無性にアル・グリーンが聴きたくなった。
ウィリー・ミッチェルについて、僕は詳しく知らない。ただ、ソウル・ミュージックを愛するひとりとして、彼とその仲間達が作り出した独特のサウンドには深い敬意を払っているし、大好きだ。ハイ・サウンドには、一聴してそれとわかる個性があり、ずっと聴いていたくなるような人懐っこさがある。ディープなフィーリングと都会的な洗練が共存したサウンドは、60年代とはまた違う70年代のサザン・ソウルだった。
ハイ・サウンドはいくら聴いても飽きることがない。ほんとに不思議な音楽だ。こんなにわかりやすいのに、こんなに深い意味があるなんて。
もし音楽が持つ無限の可能性を信じているのなら、僕らはもっと努力すべきなのかもしれない。あまりに晴れ渡った空を見上げながら、ふとそんなことを思ったりした。
サンキュー、ウィリー。
MIYAI