今さら言うことでもないんだけど、ピンク・フロイドの『狂気』はとんでもないアルバムだ。まるで取り囲むようにして知覚が刺激され、聴くたびに以前とは違う扉が開かれるような気持ちにさせられる。それにしてもデイヴ・ギルモアのギターはすごいね。もしルックスがよかったら、大モテだったろうなぁ(失礼)。
昨夜は、高校時代の友人とお酒を呑んだ。友人は仕事に人生を忙殺されかけていたので、人間的な生活を取り戻すようにすすめた。つまり、「そんな会社はやめちゃいなさい」と。結局、自分の身は自分で守るしかないのだ(自然の法則)。僕らはたらふく食べて、がっつり呑んで、けらけらと笑った。友人は支払いを済ませると、「さぁ、これからラーメンでも食って帰るぜ!」という力強い言葉を残し、去っていった。知り合ってから25年、これまでになく体が丸くなった友人(元々は細い奴なのだ)のその言葉には、有無を言わさぬ説得力があった。なんであれ、久しぶりに会えてよかったよ。また呑もうね。
帰り道、月が暗い空にぽっかりと浮かんでいた。取り囲んだ雲がなんだか不穏な感じで、僕は無性にピンク・フロイドが聴きたくなった。家に着くまで、デイヴ・ギルモアのギターが脳みその中で鳴り響いていた。
MIYAI