今日は敬愛するブルース・スプリングスティーンの誕生日。64歳なりました。心からおめでとうございます。巷じゃちっとも話題になってないけど(まぁ、しょうがないけど)、今年はデビュー40周年のメモリアル・イヤー。デビュー・アルバム『アズベリー・パークからの挨拶』が発売されたのが1973年1月5日(なぜかこういう日付だけは忘れずに覚えている)。僕はといえば、ようやく3歳になろうとしていた頃だ。
このデビュー・アルバムは、すぐには売れなかった。でも、この年に発売されたどんなレコードよりも突出した要素をもっていた。それは溢れ出るイマジネーションと抑えられない情熱。磨かれた原石が放つ光はあまりにまばゆく、可能性に満ちており、目が眩むばかりだ。
デビュー前、スプリングスティーンはセッション・ミュージシャンの仕事をしようとはしなかった。彼にとって音楽を演奏することは、お金を稼ぐだけの為のものではなかったからだ。そして、いざソロ・デビューが決まると、レコーディングには迷わず地元の仲間を呼び集めた。どちらもブルース・スプリングスティーンらしい話だと思う。このアルバムには、僕の好きなエピソードがある。発売当初、期待していたほどレコードが売れず、マネージャーから「まだ2000枚くらいしか売れてないんだ」とすまなそうに言われたとき、スプリングスティーンは「俺のレコードを2000人も買ってくれたのかよ!」と喜んだというものだ。誰よりも強い野心を持ちながら、彼にはそういうところがあったのだろう。
あれから40年が過ぎた。スプリングスティーンが歳を重ねるに従い、歌の主人公もまた成長していった。そして、限定された個人から、より普遍的な人々の物語へと変化していった。その過程で失われたものもあった。しかし、スプリングスティーンが一貫して持ち続けたのは、こうしたピュアネスなのだと思う。それはこのデビュー・アルバムにもむせかえるほど息づき、今も僕の心を揺さぶるのだ。
いつもたくさんの勇気と示唆をありがとう。あなたの歌を人生の一部にできてよかった。心からの愛情と尊敬と感謝を込めて。
Happy Birthday, Bruce!
MIYAI