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Sandfish Records Diary

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嗚呼、ボブ・ディラン

 ジェシ・ウィンチェスターの訃報が誤報だとわかり、ほっとしている昼下がり。あやうく追悼するところだったぜ。ふぅー。

 大幅な寝坊をし、さっき起きたところ。カーテンを開けたら、まぶしいほどの光が部屋を照らした。こりゃいい天気だ。ジェーン・バーキンのベスト盤を流して、パスタとビールの昼食を済ますと、太陽の光を浴びたくてベランダに出た。そよぐ春の風があまりにかぐわしく、花粉のことも忘れて胸いっぱいに吸い込んだ。自転車をこいで海まで行きたいなぁと思ったけれど、あいにく寝坊したもんで、そんな時間はない。今日こそライナーを書くのだ。

 昨夜のボブ・ディランのライヴは、数日前の公演を上回る素晴らしさだった。セットリストは同じだったが、演奏は違っていた。チャーリー・セクストンのギターをはじめ各楽器の音量も上がり、バンドの演奏はよりダイナミックになっていた。なによりディラン本人がのっているのが、歌や身振りからはっきりと伝わってきた。日本語で「アリガトウ」と言ったり(初めて聞いた)、演奏中に何度も笑顔を見せ、終演後には最前列のファンにサインまでしていた。

 それにしても、今回のボブ・ディランのライヴは本当に素晴らしい。格別だ。20年前の来日公演から足を運んでいるけど、トップ・クラスの内容だと思う。バンド・メンバーであるトニー・ガーニエ(ベース)、ジョージ・リセリ(ドラム)、チャーリー・セクストン(ギター)は、僕が観た多くのライブでもボブをバックアップしていた。そうした長い時間の積み重ねも、あの阿吽の呼吸を生んでいるのだろう。とにかく演奏が筋金入りなのだ。これこそバンドなんだ、これが本当の音楽なんだと、そんな気持ちにさえなった。それくらい感動した。

 帰りに馴染みの音楽バー「サウサリート」に寄ると、リクオさんがカウンターに座って呑んでいた。リクオさんもツアー暮らしをつづけるミュージシャンだ。話をしながら、ディランは世界規模でリクオさんのような暮らしを何十年もつづけているのかと思った。僕はそのことにまたしても感動し、赤ワインをおかわりしたのだった。

 MIYAI
by sandfish2007 | 2014-04-08 14:51 | diary | Comments(0)
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