厚い雲に覆われた朝。ぬくいのはいいが眠い。今日から僕も日常に戻る。レーベル業とアルバイトの二足わらじ生活。うまくバランスとってやっていこう。
昨日、近所の入浴施設の露天風呂につかりながら、これからのことを考えた。数年前に人生を折り返したと感じてから、これまでの自分とこれからの自分の違いについて考え続けているが、まだよくわかっていない。その曖昧さがちぐはぐな空気となって、ときどき僕の生活に軋轢を生んでいるのだろう。そんなことをよく思ったりする。
だから、まずは基本の基本を考えてみることにした。これまでの自分は、まず最初に生き方があった。自分らしく生きること。自分の人生を生きること。すべてのスタートはそこからで、その中心に音楽があった。これからの自分は、まず最初に家族がある。お互いが思いやりの中で穏やかに健やかに暮らせること。その為に僕は自分らしくありたいし、音楽は変わらず大切なものだ。しかし、すべてのスタート地点ではなくなったのかもしれない。もしそうであるならば、目に映る景色が変わったのも自然なことだ。
見上げると林立した笹が上空の風に揺れ、時折はらりを葉を落とした。僕はそれを拾い上げ湯船の外に出しながら、風に吹かれるままに揺れるとはどういうことなのかを考えた。それから、笹が育ち、朽ち、また芽吹くという時間の流れについて考えた。答えなど出るはずもなかったが、飽きることもなかった。
MIYAI