雨上がりの清々しい朝。「雨上がりね…」と、ガブリエル・アプリンの『イングリッシュ・レイン』をかけ、英国土産のチョコチップ・クッキーをかじっている。甘い。でも、今朝はその甘さが心地よい。コーヒーと一緒に。
これは雨上がりジャケ。もしかすると小雨が降っているかもしれないが、少なくとも傘ジャケではある。傘を持ったガブリエルはとてもかわいらしく、こういうジャケを見ると、ヴィジュアルはとても大切だなと改めて思う。彼女のことを知らない人も、ふと手に取るであろうことが容易に想像できる。出逢いのきっかけになるし、音がそのジャケのイメージを一層広げるものであれば、作品は聴き手に強い印象を残すことになる。うまくいけば愛聴盤になるかもしれないし、そうでなくとも、時折思い出しては耳を傾けてもらえるかもしれない。
そんな作品をいつもさがしている。なかなか難しいけど。
「傘ジャケって他になにがあったかな?」と考えて、ぱっと思いついたのがニール・ヤングの『オン・ザ・ビーチ』だった。でも、あそこに写っているのはパラソルなので、果たして傘ジャケと言っていいものかは疑問だ。あれはやっぱり海ジャケに分類されるべきだろう(分類する必要もないけど)。僕はこのアルバムを持っていない。20年くらいずっと欲しいなと思いながら、何かにつけ後回しになってきたのだろう。そういう忘れ物が僕にはけっこうある。聴いた気になっているだけでちゃんと聴いてない作品なんて、きっと数えきれないほどあるはずだ。そう思うと、何度も繰り返し聴いて、フレーズのひとつひとつまでが体に沁み着いている作品というのは貴重だし、やっぱり特別なのだと思う。
MIYAI