災い転じて福となすというか、怪我の功名とはよく言ったもので、昨年末に怪我をして以来、家での飲酒量が激減している。それはビールの空き缶の数に如実に表れ、全盛期の半分以下になった。うちは夫婦揃って呑兵衛なので、酒量の問題はつきあい出した頃からの懸念であったのだが、僕が体にも家計にも優しい男になったことで、このささやかな生活にも変化が訪れるかもしれない。
…と、書いてはみたものの、果たしてそうなるのだろうか?例えば、昨夜のこと。お金が入る→気が大きくなる→つい酒を買う→少しだけのつもりが気がついたら呑みきっている→他の酒に手を出す→よくわからなくなる→寝落ち。長年つづけてきた習慣からは簡単には抜け出せない、とはよく言ったものである。体と家計に優しい僕はどこへ行ってしまったのだろう?
ジョン・クーガー・メレンキャンプに『天使か悪魔か』というアルバムがある。きっと僕の中にも天使と悪魔がいるのだろう。どっちが天使でどっちが悪魔なのかは、正直、よくわからないのだけど。
そんなわけで、ちょっぴりかったるい朝を迎えている。肩を揉みながら首をこきこきとならし、熱いコーヒーを胃に流し込み、何かにすがるような気持ちでサイモン&ガーファンクルを聴いている。こういう朝は、まぁ、実に馴れたものである。今日も楽しくいきましょう。