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Sandfish Records Diary

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リクオ with ホーボー・ハウス・バンド & Dr.kyOn @下北沢ガーデン(2016.7.10)

 すべてが素晴らしかった。リクオ with ホーボー・ハウス・バンド@下北沢ガーデン。ゲストにDr.kyOnを迎えてのツアー・ファイナルは、満員のお客さんの心の扉を勢い良く押し開けるような内容だった。

 新作『Hello!』で示されたポジティヴィティはバンドにもしっかりと浸透し、全員がいつになく吹っ切れた演奏をしていた。ライヴはたくさんのアイディアに彩られ、曲はリアレンジされ、足しげく通うファンにとっても新鮮なものだったろう。とりわけ椎野恭一のドラムは、この夜の空気を鼓舞するかのように力強く響いていた。ゲストとしてライヴ全編に参加したDr.kyOnとの相互作用もあったのだろう。Dr.kyOnのミュージシャンとしての(あるいは人間としての)スケールの大きさが、バンドに与えた影響は大きかったと思う。

 リクオは今もがきながら楽しもうとしている。それはピート・タウンゼントの「ロックン・ロールが苦悩から解放してくれるわけじゃない。悩んだまま踊らせるんだ」という言葉にも通底するものだ。つまり、今の時代の現実に目を背けずに、「まだ何かができる」と信じることで、希望と可能性を生み出そうとしているのだと思う。

 この夜のすべてが素晴らしかった。曲も、構成も、バンドの演奏も、生き生きとした音楽の息吹に溢れていた。きらきらと輝く光の粒子が天井から降り注いでくるようだった。映像が映し出されたスクリーンの裏でスタートしたオープニングの「僕らのパレード」は、いつもならばライヴの最後に演奏されることの多い名曲「光」の後にもう一度演奏された。ひと回りして、再び何かが始まる予感があった。ライヴの中でリクオは「スターティング・オーヴァー(再出発)」という言葉を何度か口にしていた。きっと、そういうことなのだろう。僕らは何度でもやり直すことができるのだ。
 
by sandfish2007 | 2016-07-11 09:36 | diary | Comments(0)
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